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「国民の幸福度」と「一億総中流」 [無駄の効用かやっぱり無駄か]

ブータン国王夫妻が来日される1年ほど前から、ブータンは「国民総幸福量」とかで、世界で一番幸福な国のように言われていました。

本当は、日本だって負けてはいないと思うのですが、なぜだか、日本のみなさんは悲観的な方が多いようです。

数日前、日本でも「国民の幸福度」を表す指標を作ろう……みたいな話題が新聞に載っていました。
とても目新しい話のように書いてありましたが、実は、すでに日本にもあるのです(正式にはあったのです)。

ただ、強烈なインパクトがないのでマスコミがあまり積極的に取り上げないせいもあったのかもしれません。
それで、ご存じない方も多いのだと思います。


うろ覚えの記憶と、聞きかじりを書き留めておきましょう。

1.宮崎勇(元経済企画事務次官)、平松守彦(元大分県知事)、下河辺淳(元国土事務次官)などのみなさんが「八人委員会」を作り、「GNS」を提唱した。

平松さんの話では、
①GNSという言葉は、のちにカーター大統領の特別補佐官になったコロンビア大学のブレジンスキー教授が使ったものである。

②私は通産省にいた頃、経済人や評論家たちと8人委員会なるものをつくり、そこにブレジンスキー教授を呼び、パネルディスカッションをした。  

③そのとき教授は、「これからの社会はGNP(国民総生産)一辺倒の時代ではない。GNS(国民充足度)を指向しなくてはいけない」という話をされた。
 ※Gross National Satisfaction -国民総満足度社会
    
 
④国民の各界各層が、充足できるような社会をめざそうという意味だ。「充足」とは「豊かさ」と置き換えられる。

⑤「豊かさ」も「充足」も、その判断は人によって異なる。モノの豊かさは所得で計れるが、真の豊かさを計るモノサシはない。

⑥私は「それぞれの地域で安んじて老後が送れる」「それぞれの地域で生き生きとした人生が送れる」ことが真の豊かさだと思っている。

と『地方からの発想』(岩波新書・1990年9月初版)「Ⅴ地方自治と地方分権」から 「私の九州府構想」でおっしゃっています。


2.そんな動きを受けて、昭和40年代の後半(1974年)に、国民生活審議会の場で「社会指標(Social Indicators)」が公表され、国民の福祉の状態を測定しようとする動きが見られたようです。


3.そして、「国民生活指標(NSI)」(1986年)「新国民生活指標(PLI)](1992年)などに引き継がれていくのです。


4.また、岩手県、福島県、福井県等々各県単位でも、作られたりしているのです。


ただ、やっぱり、マスコミなどの注目度が低いせいか、「幸福度」の測定は、事実上の立ち消え状態になっているのかもしれません。

主な指標の例をあげると、人口当たりの犯罪発生件数とか自殺率、図書館の数等々、何となく、「幸福」そのものではないような指標も多いこと、やっぱり物質的な計測の域を出ないことなどもあって、注目されなかったようです。

ですから、ある程度生活水準が向上すると、実感をそのまま表わしにくいということになってしまうようです。


少し前なら、日曜日のお昼のニュースには、「国民生活に関する世論調査」(総理府、内閣府)というものが発表・採り上げられていました。

昭和60年前後には、「一億総中流」などと呼ばれたのもこの調査によることが大きいのです。
最近では「格差」という言葉が好んで使われますが、平成22年6月調査でも、さほど大きな変化はないのかもと思われます。
http://www8.cao.go.jp/survey/h22/h22-life/index.html

この調査は、サンプル数が約6,000なので、データの信頼度が高いのかどうかはよくわかりませんが、

1.現在の生活について
 (1) 去年と比べた生活の向上感
 (2) 現在の生活に対する満足度
 (3) 現在の生活の各面での満足度
  ア 所得・収入
  イ 資産・貯蓄
  ウ 自動車,電気製品,家具などの耐久消費財
  エ 食生活
  オ 住生活
  カ 自己啓発・能力向上
  キ レジャー・余暇生活
 (4) 現在の生活の充実感
  ア 充実感を感じる時
 (5) 日常生活での悩みや不安
  ア 悩みや不安の内容
 (6) 時間のゆとりの有無
 (7) 自由時間の過ごし方
 (8) 生活の程度

2.今後の生活について
 (1) 今後の生活の見通し
 (2) 今後の生活の力点
 (3) これからは心の豊かさか,まだ物の豊かさか
 (4) 将来に備えるか,毎日の生活を充実させて楽しむか
 (5) 老後は誰とどのように暮らすのがよいか

3.生き方,考え方について
 (1) 家庭の役割
 (2) 働く目的は何か
 (3) どのような仕事が理想的だと思うか
 (4) 収入と自由時間についての考え方

4.政府に対する要望について
 (1) 政府に対する要望

といった項目についてのアンケート調査の結果がまとめられています。

こういう調査も少し活用しながら、いろんな政策が考えられたらいいのにと思ってしまいます。


そういえば、今日は、日本の真珠湾攻撃(1941年12月8日)から70年目です。
「もはや戦後ではない」と経済白書が歌ってから(1956年)も久しいのですが、戦争体験を身近な話として知っている人もずいぶん少なくなったようです。

当時の人たちは、今の日本をどう見てるのでしょうか。。。。。。

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