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オフィスでの「動態観察」 [仕事についてのエトセトラ]

これは金融機関だけで行われていることかもしれません。

いわゆる「動態観察」です。

管理職は行員の勤務中の動きを見ているのです。


「動態観察」には二つのやり方があります。

一つは、「長」という肩書がつく人たちによる、日々の「部下の動き方」の確認です。

例えば、

①電話応答のチェック

・不審な電話に対応していないか
・応答に苦慮していないか
・いわゆる「しどろもどろ」の話をしていないか

などということです。

ここでどんなことを確認してるかというと、

・苦情をうやむやにしようとしていないか
・脅されたりしていないか
・不正を糊塗しようとしていないか
・「サラ金」等々の督促ではないか

といったことです。

これらは「金融機関」という職業上の特殊性から来るチェックです。


②挙動のチェック(その1)

ここでどんな確認をしているかというと、

・事務に代表される「仕事の流し方」に違和感がないか

ということです。

お金を扱う仕事ですから、事務に「間違い」とか「うっかり」があると大きなトラブルに発展してしまいます。

「命」までとってしまうようなことではありませんが、多額の現金・手形・小切手を扱っていますから、ぞんざい(なおざり・おざなり)な仕事は許されません。

苦情や事務ミスは、見ていてわかることが多いものです。
「なぜ起こったか!」と検証しなくても予防はできることが多いものです。


③挙動のチェック(その2)

・不必要な離席
・携帯電話の鳴り具合
・異装・お化粧ぶり

のチェックというのが典型です。

・トイレへの離席、息抜きということもありますので、一概には言えませんが、
あまりにも離席が多い場合は、どこかに問題があることが多いものです。

昔々、ある都市銀行で、女性行員が「1億数千万円を不正送金し、自身は「歯医者に行く」(?)と言って外出したまま逃亡した」という話もありました。

ちょっとした隙を縫ってとんでもない事件が起きてしまうのが銀行なのです。


・「携帯電話が異常に鳴る」というのも、ある種のシグナルです。

ご家族に何か不安でも抱えているのではないか? と考えるのが一般的であり、さらには私生活に課題があるのではないかと考えさせられてしまいます。


「離席」と「携帯」と「私用電話」は、ひょっとしたら株式等の相場制商品の取引をやっているケースも想定されます。
仕事柄、インサイダー取引の可能性もあります。
何よりも「仕事に集中できない」という大問題もあります。


・「髪の毛が跳ねている」のは家庭に課題があることが多い。

朝から「髪が跳ねている」というのはいただけません。
「朝起きてから余裕がなく家を飛び出した!」ということが想定されます。

更衣室やロッカールームには大きな姿見(鏡)があります。

「きちんとした身なり」というのは、仕事に向き合うレベルを教えてくれます。

ただ単に「ものぐさなだけ」「無頓着なだけ」というのは許されないのです。


銀行では、抜き打ちの監査(検査)があります。
「検査部」のメンバーが「チームになって」、予告なく職場にやってきます。


・現金・現物のチェック
・机の引き出しやキャビネ、書架の整備状況のチェック
・書類の放置のチェック
・外訪鞄の中身のチェック
・車の中のチェック

最近では、FAX、プリンターの掃出し文書の放置等も厳しくチェックされます。


そして、一日中「動態観察」を行うこともあります。

「長」のつく人たちのそれ以上に厳しいものがあります。

・事務の流れにルール違反や違和感はないか
・不自然なことはないか

等々を念入りにチェックされます。


銀行というのは、内部ではこんなにストイックな職場です。


しかし、最近では、緩い人たちも増えてきたのも実情です。

トラブルが起きた時に限って「ああだこうだ」と言いたがる人の中にも、日々の管理の甘い人もいます。


かつては「銀行員」というステータスの特殊性があったような気がします。

緩くなってしまって「銀行屋」と揶揄されることもあります。

それどころか、この特殊性すら忘れ去られてしまうことが起きてしまうこともあるのかもしれません。



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