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「イルカの追い込み漁」と「スペインの闘牛」の話 [鈍感日本人への警鐘]

イルカの追い込み漁」の話については、そんな特別な問題だとは考えていませんでした。
イルカが多いと普通の魚が減る」という話を釣り人からも聞いたことがあります。
まぁ、その程度の知識の受け止め方でした。


ところが、コラムニストの深澤真紀さんの「イルカの追い込み漁と水族館」という話をラジオで聞いてすっかり考えさせられてしまいました。

※文化放送「大竹ゴールデンラジオ!」(15.6.2 13:00~)


話しの内容は、

1.和歌山県の太地町の「イルカの追い込み漁」の歴史は50年。

・実際にどれくらいの歴史があるのかはよくわかりませんが、昭和になってからのもののようです。
・太地町の追い込み漁は静岡から移入されたもので、さほど歴史があるものではない

※確かに、和歌山県のホームページには「食料」という言葉も使われていますが、「イルカ料理」というのはあまり一般的ではない。


2.イルカは知能が高く「賢い動物なのにかわいそうだ」という発想が根底にある。

知能が高い動物は「苦しみが恐怖を覚える」。だから「苦しみの恐怖」を与えたくない
・日本人は、長らく「イルカは魚」だと思っていた。
・魚ではないので、「苦しませないようにしないといけない」という考え方がある。
・なお、太地町の「追い込み漁」もすばやく殺せるように改善されている。


3.日本は世界一の水族館大国。

・世界に水族館は500個あるが、そのうちの2割の100が日本にある。(とても多い)
その水族館では「イルカショー」がビジネスの中心である
最近の動物園はショーをやらなくなっているが、水族館は相変わらずショーが中心。


4.イルカは水族館や動物園では繁殖が難しい。

水族館で育った個体どうしでは繁殖しない。どちらかが「野生」でないと繁殖しにくい。あるいは流産、生まれても小さいうちに死ぬ。
日本の水族館には300頭くらいイルカがいるが、そのうち1年に1割くらい死ぬ。寿命が40年~50年から考えると死にすぎ。
・野生のイルカをとるのは。経費削減のため。
イルカが死なないような育て方や繁殖するための研究にはコストがすごくかかる
・そのため「追い込み漁」でとったイルカを購入している。(アジア、ロシアくらいしか野生のイルカを購入していない)
・アメリカでは、人工授精でイルカを中で増やす研究が進んでいる。(江ノ島水族館も頑張っている)


5.今の「動物園は野生に頼らない」流れになっている。

・ライオンとかパンダも野生に頼らず中で繁殖している。
・イルカの飼育とショーは伝統でもなくビジネスである。(「見世物」小屋の娯楽施設)
・今は、旭山動物園のように「行動展示」になっている。
(なるべく生育環境にあったような展示)
「イルカのショー」は人気なので、切り替えられない。(「イルカの生育」にあっているわけではない)

・単純に「追い込み漁」だけが問題なのではなく、「水族館に野生のイルカを入れること」と「ショー」も問題にされている。


6.「人間が動物の方に行く」という発想に変わっている。

・「ホェールウォッチング」、「ドルフィンウオッチング」、「ホェールスイミング」「ドルフィンスイミング」と言って「こっちから行く」という流れになっている

・「シルク・ド・ソレイユ」というサーカスは「動物を使わない」というのが大きな特長(人間がやる)。


7.「捕鯨問題」の考え方には、白人による日本人・アジア人差別は確かにあるが、欧米人は建前を大事にする。

・毛皮、キツネ猟、スポーツハンティング、闘牛には同じように反対している。
スペインの闘牛も絶滅に近い(都会では闘牛はしない)。

・「芸をやらせない」「野生から供給するのはダメ」という考え方。
・他の動物も「動物園」で繁殖している。


8.「アニマルライツ(動物の権利)」という考え方はあるが、「動物の権利」をどう決めるかは「人間のエゴ」である。

・「中にいるイルカ」は外に出されるのが罰ゲームになっている。
・「飼いネコ」も外に出すと死ぬ。
・外のものが中に来るのはストレスがたまりやすい(死ぬ)。

・本来は「野生のものは野生のまま」にが原則。
・そうなると「ニワトリ小屋」「牛の放牧」「犬を飼う」「ネコを飼う」のはどうなのか?という線引きは難しい。
・・・・最近は食べる動物も「苦しませずに殺そう」という考え方になっている。
・日本では「動物愛護」という考え方があるが曖昧。
・ただ、動物と人間が付き合うための「エゴの中にもましなエゴ」があると思う。

・「追い込み漁」だけの問題ではなく「アニマルライツ」については世界中でいろいろな意見がある。「ましなエゴ」を探すしかないが単純化しすぎると難しい。
「水族館は必要」だけど、「イルカショーが必要か」は疑問。
・「(ライオンの火くぐりなどの)ライオンショー」はなくなっている。


さてさて、わかったようなわからないような議論でしたが、今回の「イルカの追い込み漁」の問題は、

マグロはどうなのか?
牛肉はどうなのか?
犬に「お手」を教えるのはどうなのか

というような問題に広がる可能性もあるようです。

というような話だったのかもしれません。
ここから先はみなさんでお考えください。


昔々、バンクーバー(カナダ)の水族館でシャチのショーを見たことがありました。
おそらく、ショーというよりは「シャチの生態説明」の講義だったような印象がありました。

「鴨川シーワールド」(千葉県)の、「シャチのジャンプ」とか「背中に人間を乗せて泳ぐ」ショーを知っている私にはとても退屈なものでした


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