SSブログ

株が下がるのは民主党政権のせいではない。。。。 [少し政治的な話を。。。。]

一昨日(2009年11月3日)の日経新聞を見ていて気になることがありました
「大機小機」というマーケット総合面にあるコラムです

この日は「日本の時を止めるな」という題名でした
かいつまんでみましょう
1.「日本株の低空飛行が続いている。1万円をはさみ一進一退を繰り返してきた日経平均は2日、再び9800円台まで急降下した」原因として
①米国経済の回復速度の鈍り
②円高など
③気になるのはここにきて政治要因を低迷の主な理由に挙げる市場関係者が増えてきたこと
を挙げている

2.コラム氏も
「ここまでの政策運営を見ると、鳩山由紀夫内閣は時計の針を逆戻りさせようとしているのかと疑いたくなるような姿勢が目につく。」と批判的である

3.具体的には、郵政事業の見直しのことが中心で、
コラム氏の意見を拾うと
A.郵貯事業改革
①郵貯・簡保で300兆円に上る巨額資金の水門を開け、国債購入以外に民間や市場へ資金供給の太いパイプを作る
②全国2万4000の郵便局網を新たなネットワークサービスの拠点にして内需の起爆剤にする
ことだった

B.郵貯・簡保、郵便局網とも、競争条件を整えたうえで、今ある銀行やコンビニなどとの競争にさらし、あくまでも自由競争を通じて新金融や新サービスを作りだすことが民営化の狙いだった。議論の始まった10年前に逆戻りした思いを強くする。

C.13年前の米軍沖縄普天間基地移設に関する日米合意や日米同盟そのものの包括的見直しを口にする鳩山政権に、米国は不信を強めている。

D.13年前の住専処理の泥沼を連想させる日本航空の丸抱え再建

E.新政権のあちこちから出てきた赤字国債の発行容認論

F.悪事はすべて前政権のせいという理由付けではなく、新政権の抜本的な国家再建策を鳩山首相から聞きたい

と新政権への批判を行ったうえで、「日本経済や日本外交の時を止めず、前に進める政策が1日も早く新政権から出てくることを期待する」と結んでいる。

確かに、株に関わっていらっしゃる方々はヤキモキなさっている日々が続いていらっしゃるのでしょう

ただ、少し考えてみましょう

Ⅰ.株式相場で日本経済や政治の状況をコメントしすぎるのは、我田引水的である
①最近の株式相場は、傾向としてアメリカの株式相場への連動気味にかつ日替わり的に推移しており、この点は、日本の政治状況や経済状況だけでは説明できない

②投資家サイドが株に興味を沸くほど刺激的な材料がない

③上場している企業にも、日本航空やJR西日本等々経営ぶりの違和感ばかりが目につき、「上場している企業」だからという信頼感や安心感を見失っている

④証券マーケットは、コンピューターの発達なのか、金融工学の発展なのか良くわからないが、議論とか情状とか思惑とかの主観的な評価で相場が動かなくなっている

⑤そもそも、アジア諸国の台頭等により、日本経済の立ち位置がここ長年決まっていない

⑥年金問題や人口構造の変化(長寿化・少子化)や給与水準の低迷等々社会構造変化に証券マーケットがついて行っていない

というようなことのほうが大きな影響を与えているはずである

Ⅱ.郵政事業問題は、今こそ再考が必要である 決して時を止めているわけではない
旅先を決めていたけど、その方向に行くのが楽しいのかあるいは行く道は正しいのか、本当にそこへ行きたかったのか、今は、地図を見直し、情報を確認している状況である

①「民間や市場へ資金供給の太いパイプを作る」というのは簡単ですが、
・ただでさえ銀行は貸出難に陥っている
・新規の株式発行や新規の社債の発行がない
・魅力的な企業が育っていない
・企業そのものが前向きな投資に消極的である

②「郵便局ネットワーク」とか「民でできることを民で」と言いながら、結局、競争の激化と事業の混乱を招いている弊害の方が大きい・・・・本来なら、「民がやっているのだから、公は規模縮小」という考え方のほうが妥当と思われる 国がフォロー・支援してきた郵政事業が、巨大な郵政コングロマリットに変わるだけである

③対米問題について国民はどこまで理解しているのでしょうか
確かにアメリカからは不信を買うかもしれませんが、今、急ぐ必要があるのでしょうか・・・・
北朝鮮情勢が混とんとしている中、もう少し旗色を見ながら決めていく必要があります
尖閣列島、竹島等々、我が国土の問題を合わせ考える契機にしたいものです

④日本航空問題は、政治に巻き込まれた上場企業の問題です
東証第1部上場企業である日本航空についてマーケットはどうしたいのでしょうか?
民間の株式会社であるのなら「会社更生法」の適用をマーケットは語らないのでしょうか

⑤「赤字国債論」を議論する時、法人税などの税収の落ち込みの視点をチェックしなくていいのでしょうか。。。。。

政権ができて、やっと2カ月、国家ビジョンを語る以前に足下の交通整理をするために、最低限の政策をしていく時期ではないでしょうか。。。。

Ⅲ.経済界のオピニオンリーダーである日本経済新聞の論調の随所に、批判ばかりで建設的なご意見がないのには失望の連続です

Ⅳ.なお、読売新聞の11月4日(水)夕刊にある「よみうり寸評」では
①現行計画に合意した米政府、地元自治体は困惑している
②「全国どこを探してもない」ような移転先をどうして見つけるのか。時期も方向も見えてこない
③「やはり名護へ」と回帰した時、名護市が「もういやだ」と言ったらどうするの。
と現実的な分析をしているのは評価できる

Ⅴ.ただ、権謀術数の渦巻く国際政治の中に国家機密をシンプルに説明するような愚を犯さないでほしい
と願いたい



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0