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日本航空の会社更生法申請に賛成です [少し政治的な話を。。。。]

小生は、銀行員のはしくれです
したがって、
①お取引先企業が会社更生を申し立てたケースに遭遇したこともあります
・・・・入行3年目で融資の担当になった時の初仕事は、ある企業の会社更生法申請に伴う債権者集会への出席でした
②会社更生法の手続きに則り再建中の企業に融資をしたこともあります
・・・・すべて裁判所の同意が必要でした
③会社更生法を適用された企業が見事に再建されたことも知っています

日本航空は
①東証一部上場の株式会社です
②日本国にとって大事な国策航空会社です
③破産させるのではなく再建させなければいけません
ですから、再建目的の法定整理である「会社更生法」の適用が一番効果的なのです

④なぜ、「会社更生の適用申請」をしないのか不透明です
⑤東証一部上場の企業であるにもかかわらず、国の支援ばかりが優先されていいものでしょうか
⑥国かかりで再建するにしても、そのプロセスが透明でなければいけません

[本]「日本航空は会社更生法が似合う(「倒産循環」から抜け出そう!)」
http://beniha.blog.so-net.ne.jp/2009-09-15-5

これは、ある地方都市で起きた物語です
地域を代表する中小企業が破綻しそうになりました
①借入金は年商額を超えています
②かかわっている銀行は、約10行ありました
③従業員も200人を超え、もし倒産すると、雇用等にも大きな影響が出ます
④ただ、斜陽産業でした
⑤そこで、知事から「支援してくれ」と取引上位行に要請があり、商工部長が「知事の文書」を持って、上位行にやってきました

メイン銀行は地元の地銀で、地元行の融資ストップが破綻騒ぎの引き金になりました
知事の要請を受け、地元行が音頭をとって、銀行団の会議が開催されました
メイン行の考えは、「上位4行に貸出を集約化し支援する」というのが骨子でした

銀行団の会議の中で、小生は
1.銀行は10行もあるが、各行とも相応に融資を行っており、ここで4行に集約する理由が不自然
2.再建の主目的は何なのか?
①地域経済のためか
②従業員の雇用のためか
③創業一族のためか
明確にされたい
3.なぜ、会社更生をしないのか
と申し上げたのです

臨席した創業家一族の社長より、「私財は投げ打つので、支援をお願いする」との申し入れがなされました

結果、メインの地元行より
1.社長をメイン行より出す
2.各行とも現在の貸出残高を維持し、業績見通しに合わせ、各行公平に弁済していく
3.新規の資金は、上位4行で負担する
4.事業資産の担保処分は当面見送る
5.社長の私財は処分し、事業資金(および担保見合い分は返済)に充てる
6.県も販路開拓等に協力する
7.当面、月次で業績報告会を行う

を骨子とする再建案で各銀行も了解し、事業継続の運びとなりました
メイン行の尽力もあり、10年ほど経ちましたが
結果、10年かけて
①採算が見込める部分は、地元同業者にM&Aで売却
②その他の部分は、徐々に規模縮小を行いました
いわゆるソフトランディングです

メイン行のリーダーシップには頭が下がりますが
会社更生も辞さないという姿勢で各銀行も臨んだこの緊張感が大きな支援材料になったともいえます

さて、日本航空です
①会社更生法は、再建を目的とするものです
②銀行等の借入金などの債務に保証をされている方は、保証債務を追求されます
③事業そのものは十分に再建・採算に乗る可能性があります
④株主も従業員も銀行もお取引先も痛み分けで、再建された日本航空との取引を期待できます

日本航空の再建ぶりは、日本の企業の経営の教科書になること間違いなしです
だからこそ透明な手法による再建が必要です

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