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「日本航空の個人株主に配慮せよ」という考え方に反対です [少し政治的な話を。。。。]

日経新聞夕刊マーケット総合版に「十字路」というコラムがあります
昨日(2月3日(水))の吉田経済産業ラボ代表の吉田春樹氏が「個人株主の存在を忘れるな」と書いておられます

要旨は
1.日本航空が会社更生法適用を申請して株式の上場廃止が決まった
2.個人株主の立場から見ると、あっという間の出来事であった
3.日本航空は過去も現在も国の政策のしがらみがあり、現にその再建が政府主導で進められている

4.企業再生支援機構や政府系金融機関を通じて巨額の公的資金が注入されるとともに、更生法申請が半ば強制的に行われた
5.経営実態がどこまで投資家に公開されていたか
6.背景に大きな政治の力が働いている

7.個人投資家を古くからの大株主や取引金融機関と同列には論じられない
8.結論として、会社更生法適用終了後、株式はいずれ株式市場に放出されるが、その際、旧株主にせめて放出株を優先的に購入できる権利を与えてほしい
9.株式市場が個人投資家から信頼されることを切に願っている
とのことのようです

小生は、株式には素人でもあり、吉田氏の足下にも及びませんが、違和感があるので小生の考えをまとめておきましょう
1.日本航空の会社更生法適用申請は、ベストかどうかは別としてベターな対応である
2.会社更生が首尾よくいかない場合は、法律の規程は「破産」を想定している
3.日本航空の業況不安は、かねてより指摘されていた

4.企業金融のプロである銀行や保険会社や商社も多額の損失(償却)を出しており、個人投資家(株主)だけが特別ではない

5.個人株主の中には
①日本航空の社員もいる 一番、業況をよく知っている彼らですら、大きな損失を被っている
②個人投資家の中には、「株主優待」を利用するために株を購入したという方もいらっしゃいますが、それは本末転倒である 株式投資の美味しい部分だけを理解して株式を購入したと思われても仕方がない 株式投資は自己責任である

6.国の政策に左右され、かつ国の側面支援が存在したという点については、納税者の立場を忘れた議論である
(東証一部上場企業に税金が投入されるからには納税者にも同様なやりきれなさはある)
7.政治の力が働いているとしたら、政治家は国民が選んだものであり、マスコミを含めた国民が監視するものでらう だからこそ昨年政権が交代したと言える
8.新生日本航空株が市場に放出した際に、旧株主を優遇するという点は論理的でない

9.もし、企業情報の非開示や粉飾等の事実があるのなら、それは、東証規則違背及び会社法等々企業関連法令への違反であり、経済犯罪として旧経営陣を訴追すべきである
10.「信頼される株式市場」のためには、飴を与えるのではなく、上場規則の遵守を徹底し、株価形成要因を信頼あるものにすることが必要である
11.もし、日本航空の会社更生申立で個人株主が株式市場から遠のいたとすれば、それは株式市場に原因があると考えるべきである

なお、みなさんは上場企業の株主総会に出席されたことはありますか?
高値を付けていた株価が低迷し始めた企業の株主総会では、個人投資家の方が発言(質問)されるケースが数多いようです
彼らは、
①四季報とかで今後成長が見込めるようなことが書いてあったので、安定株や大型株を売って、買い替えたものだ
②買ったとたんに下がり続けており家族にも説明ができない
③IR部門に電話をしても、個別の株主には株主公平の原則やインサイダーの問題もあり回答できないとのことで何も教えてもらえない
などというお話されていました

なお、マスコミやエコノミストの方の多くは昨今の景気や株式相場に悲観的な見方をされる方も多いようですが、新聞記事の中には明るい話題(※)もある印象があります

デフレスパイラル等々の総花的な悲観論ばかりではなく、企業の経営ぶりに光を当てるようなミクロの経済現象も合わせ議論するような論じ方も株式投資や経済政策には必要ではないかと思います


・上場企業10~12月期、経常益3期連続で拡大 日経集計(1月31日日経新聞)
・1月の新車販売、36.8%増 6カ月連続で前年同月上回る (2月1日日経新聞)
・1月の景気動向指数、3カ月ぶり改善 帝国データ(2月3日NIKKEI NET)
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