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「お客様は神様です」・・・・・神様とデフレ [企業経営の風景・裏付けのない経営学]

昨日(2013.1.7)の日経新聞朝刊9面の「経営の視点」では、

『「お客様は神様」は正しいか・・・・・選び選ばれる関係へ変革』

と題して特別編集委員の方が述べておられます。

少し引用してみましょう。

「安ければ何でもいいという市場からは撤退しろ」。パナソニックの津賀一宏社長は腹をくくった。安値競争に陥ったテレビ事業で「負け組」になった反省が背景にある。

「お客様は神様」を金科玉条に、あまねく広く売ろうと商品モデルを増やし値段を下げ、そのあげく大赤字だ。量で稼ぐ路線は今や、韓国や中国などの企業に完全にお株を奪われた。円が多少安くなっても、どうにもならないだろう。

誰に何をどう売るか、焦点を絞って事業構造を組み替える必要がある。活力を取り戻すには、賢い経営に変わるしかない。

高度成長期以来、均質な商品を安く大量に供給することで成功を収めた産業は転換を求められている。製品やサービスから企業の構造まで、広い意味でのイノベーションは必要である。


もっともらしい評論です。

さて、こんな言葉とかモノを思い出してください。

1.ニクス(NICs)またはニーズ(NIEs) 

新興工業国(Newly Industrializing Countries;NICs、ニクス)
新興工業経済地域(Newly Industrializing Economies;NIEs、ニーズ)

と呼ばれ、新興工業国が脚光を浴びた時期がありました。
日本では、昭和60年~平成元年(1985~89年)ごろのことでしょうか。。。。。

繊維製品や雑貨ものからスタートしました。
このころから物価が下がり始めました。


2.「価格破壊」

城山三郎さんの経済小説『価格破壊』が起源のようですが、世の中で広く使われるようになったのは、2005~06年(平成17~18年)ごろのことでしょうか。。。。。


特に、この「価格破壊」を合言葉に、日本経済は一気にデフレの様相になってきたのです。


ここで、注目しなければいけないのが、コストパフォーマンスはすこぶる向上しました。
つまり「この値段でこの性能」という感動があったということなのです。

100円ショップに行けば今でもこの感動を体験することができます。


今回の日経新聞の記事(コメント)につき素朴な疑問があります。

企業経営者・企業幹部の皆様に申し上げたいのは、

「いつでもお客様は神様なのです。」


皆様が、神様が要りもしないものを作ったり、売ったりしただけの話なのです。


たとえば、家庭用のビデオデッキがそうでした。

高機能化で10万円レベルのものを狙ったにもかかわらず、消費者は2~3万円程度のものを好んで買いました。


たとえば、3Dテレビがそうです。

少し前に、派手にCMが流れていた「3Dテレビ」というのはどうなっているのでしょうか。。。。

ながらでテレビを見る神様には、メガネなど邪魔以外の何ものでもありません。


特別編集委員氏は、「選び選ばれる関係」とおっしゃいますが、

①神様はどこにいるのか?
②神様のキャパはどうなのか?
③神様がたいせつにしたいものはなんなのか?

という検証が足りなさすぎたのです。


選んでばかりいたら、新興宗教や海外の宗派に席巻されてしまいます。

少しだけ、考える余地があるとしたら、

「もの作りをする人」と、「モノ売りをする人」とでは、微妙に違うものがあるかもしれないということです。


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