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最近の経済政策やエコノミストの議論がよくわからない理由 (多分間違っているから) [少し政治的な話を。。。。]

かつて、日曜日の午前には、サンデープロジェクトと言う番組がありました
個人的には、好きな番組でしたが、
①切り口や取材力がすぐれていた
②進行役の田原総一朗氏の「上から目線」のトークで時の大臣まで丸めこんでいた
ところに、面白さがありました

しかし、丸めこみ過ぎがワンパターンとなり、飽きてきたのも実情でした
脇を固めていた財部誠一氏なども少し緩慢な発言も目立っていました

今春から、番組が衣替えし、「サンデー・フロントライン」という番組に変わりました
実はこの番組がなかなか面白いのです
理由は簡単です
①田原氏のように丸めこむ人がいない
②出演者が、いわば素人っぽく素朴な疑問や戸惑いが顔に出る
ことです

昨日の、ゲストの一人は、菅首相のブレーンだと言われる大阪大学の小野 善康教授がゲストでした
小生の評価は、
①こんな人が菅さんのブレーンだったのか
②議論が間違っている
というのが本音です

TVを見た限りでの小野先生のお話
①増税で吸い上げたお金は、介護とかに再配分され国民に戻ってくる
②介護分野などにお金を投入することで雇用が拡大する
③雇用が拡大すれば消費も拡大し、経済成長が行われる
とでも言いたそうです

反論してみましょう
1.昭和60年(1985年)ごろから、日本では、サービス経済化が進展してきました
①サービス消費は、「自分でやればいいものをお金で他人にやってもらう」ことです
②ちょっと我慢したり、自分でやれば足ります
③「サービス消費」中心では、景気はよくなりません

.「汗をかいた人には増税され、楽をしようとする人にはお金が交付される」ような政策は長続きしません
①働くのがバカバカしくなります
②あくせく働かなくても国が助けてくれるのなら、働く意欲は失せていきます
③自助努力が基本です

3.納税額=給付額 というような趣旨のお話でしたが間違っています
なぜなら、お金やモノは、流れていくうちに、贅肉がつき、肝心な部分が擦り減っていきます
①徴税コストや流通経費や事務費が考慮されていません
・・・・公務員の給与や物件費(たとえばつまらないチラシや広告費等々)によってはぎとられてしまいます
②納税した人に、納税額と同額が還流されるわけではありません
・・・・もしそうなら、税金など納める必要はないからです
③お金のある人にまで給付していたら、貯蓄に回るだけです
・・・・他人の貯金を増やすために、増税するようなものです

4.雇用創出と言っても、介護の現場で働きたい人は少なく、長続きしません
①数合わせの議論です 働くことのメンタリティや介護の現場の厳しさが語られていません
②そもそも「介護」はたいへん(いや)だから、他人にお願いする! という発想ではいただけません
・・・・負担軽減のために、本人にも家族にも快適な介護が必要と言う工夫が必要です

5.デフレの主因はコストの低下です
①同じような製品・商品・サービスが低価格なら、消費者はそちらに行きます
②ニーズに合った質の向上が必要です
・・・・・安物でも十分という考え方が支配的なら価格は上がりません
③中国などで安くできる品物があるのに、わざわざ高い日本製を買う人はいません

6.「働けない人」と「働かない人」の区別ができていません
①給料が安いから働かない
②能力がないから働けない
③体調が悪くて働けない
④自分の住んでいるところには仕事がないから働けない
⑤この仕事は向いてないから働かない
等々、「働かない」「働けない」理由はあります

①かつて出稼ぎというのもありました
②全国転勤・海外勤務などのある人は住まい方を工夫してきました

小野先生の話には
汗や工夫の香りがしない
現実的でない
日本や日本人に何を求めるのかというポリシーが見えない
公平感がない
というのが欠陥です

同席していた他のコメンテーターの方々も
カタカナ用語ですれ違った議論をなさる…噛みあわない
現場が見えてないから反論できない
教科書的なことに終始していらっしゃる
ようでした


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コメント 2

伴睦

確かに、阪大の小野とかいう教授はヒドかったですね。
菅総理の経済ブレーンと称して憚らないのであれば、菅直人というおっさん、甚だ経済には無知としか言い様がありません。
まだ、小泉元総理が従えた竹中平蔵の方が「戦略的軍師」の色彩強く、小泉純一郎の正体を巧みに演出していましたね。

そもそも、「税」なるもの、権力者が農民や商人から搾取する為の制度に端を発している訳で、権力者が「国家」となり、一旦は、「富の分配・共有」を標榜する社会主義への傾向はあったものの、近代国家の熟成と共に国家は財源に窮し何かと増税の大義名分を捜し求めて来たのが現状であります。

日本の場合も、不況になると増税が論議されて来た訳ですが、かつてデフレ環境は経験していないのですから、それなりに増税策が進めれられて来ております。
オイルショック覚めやらぬ1979年に、大平政権で「一般消費税」導入が論議され、民意の審判の末、大平元総理は命まで落としております。
その後、1985年のプラザ合意で急速な円高の進む中、第三次中曽根内閣は「売上税」構想を打ち出し、二年後の竹下内閣で奇跡的に成立に持ち込んだ訳です。
当時、円高で輸入高級品の価格が下がり、世は正にバブルへと突き進んでいたので、増税による負担感が増すよりもシステム導入によって内需が増加した結果となり、恐らく、日本の消費税導入の千載一遇のチャンスであったとしか言い様がありません。

願わくば、チャイナ・マネーの台頭であります。
その昔、中国人が海苔を好んで食するようになれば、瞬時に日本のすし屋から海苔が消えてします、とか言われておりましたが、そろそろ、チャイナ・マネーによる不動産バブルが起るのではないかと少し心配(期待?)しております。
この国のデフレ脱却の無二の策が、これでは・・・と、
菅総理が、これを見込んで数年後の消費税アップを仕掛けているのなら・・・ある意味、先読み英才ですが、何れにしても、アノ、小野とかいうおっさんは無茶苦茶ですわ。
by 伴睦 (2010-06-28 13:40) 

beni_ha

伴睦 様

コメントありがとうございます

いつものことながら、生きた経済史をありがとうございます
ひょっとしたら、大学とかで教えていらっしゃるのでしょうか。。。

日本経済の歩みがリアルに伝わってきます
今の体制がなぜこうなったのかと教えていただいております

さてさて、小生のブログも少し愚痴っぽくなってきました
政治課題が多いのも特長的です

ただ、こんな「大あま」を続けたり見逃していると、汗をかいても「成功しない世の中」になってしまいそうな気がします

そうそう、竹中先生も世の中を混乱させた戦犯だと思っています
マスコミが無批判に重用してしまいましたね

by beni_ha (2010-06-29 00:20) 

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