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「雨の日に傘を貸さない」銀行員が「消費税」を語る [銀行(員)と付き合う法]

歴史的に、銀行(員)のことは「晴れの日には傘を貸し、雨の日には傘を貸さない」などとよく言われます。

その通りかもしれません。
業績が良くてお金なんかとても必要なさそうな企業には、「どうぞうちの資金を使ってください」と言い、
お金が必要な企業には、「少し検討させてください」などと答えることがよくあります。

「少し検討させてください」とお答えした企業の場合は、

(総合的な判断として)
1.財務内容はどうか
2.収支ぶりはどうか
3.経営ぶりはどうか(経営陣の状況や風評、稼働状況等々)
4.お取り扱いの商品はどうか
5.先行きはどうか
6.他行のお取引ぶりはどうか
等々「ひと」「もの」「かね」のチェックをしながら検討します。

(融資の申し込みの個別の判断として)
1.資金の必要性はどうか(使途はどうか、借入効果はあるのか)
2.返せるのか
3.担保や保証はあるのか

などと言うのが一般的です。
もし、業況も悪く、ご融資することに課題があるようだと、

①新規のお申し込みの場合は、まずお断りをします。
②既にご融資をしている、既往のお取引先であれば課題をクリアしていただくようにお願いをします。
~その課題がクリアできない限りご融資は行いません。

その課題は、企業経営の改善が主眼で、

1.収益増の明確化
①売上をふやす
②利益率を上げる
等の方策の明確化です。

2.経費(コスト)圧縮の具体化
~利益率を上げるには、経費の圧縮が絶対条件です。
①不要不急の資産の圧縮
②人件費の削減(役員、従業員それぞれ)
③固定費の削減
④変動費の削減
等々、その方策を具体的にしていただきます。

3.将来見通し(事業計画)の明確化
①お金を融資したらどんな姿(企業の形)になるか!・・・・中・長期的にどういう企業になっていくのか!
②借入金は返せるのか!
ということがポイントです。

4.他にコストのかからない資金調達の道はないのかの検討
~返さなくていい資金がベストです。
利息がかからなければベターです。

お金を借りるみなさんもたいへんな作業が必要です。
そこまでしないと借りられないのか! と悲鳴が聞こえてくるかもしれません。
銀行は、皆様の大切なお金をお預かりして、その集まったお金を預金者に代わってご融資しているのですから、

①ご返済いただけるかどうか
②お役にたつかどうか

ということを徹底的に洗い出さなくてはいけません。

今度の選挙では、与党民主党、野党自民党を中心に消費税の話がテーマになりました。
エコノミストの皆さんも、日経新聞をはじめとする大新聞も賛成のようです。

さてさて、国民の皆様は、今回の消費税上げの話を、
「銀行であるみな様が、日本国と言うお客様にご融資をするんだ!」
という目でいろんな議論をチェックなさったらいかがでしょうか。。。。

1.国債発行(過去の借金)が多いというのなら、どうやって減らしていくのか!
2.消費税という形でご融資した資金は、どうやって返して(環元)していただくのか
3.消費税と言う資金調達を行うにあたり、何が課題であり、その課題はクリアされるのか
4.今後の国の形はどうなるのか
5.中・長期的な事業計画(「成長戦略」と呼ばれているものかも知れません)はどうなのか

というようなことをです。






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コメント 2

岩井徹朗★会社の土台作り

お金が必要な状況は理解できますが、今のままだと貸したお金が返済されるかどうかというと、ちょっと不安ですね(苦笑)。

未来に向けて希望が持てるような政策(事業計画)が欲しいところです。
by 岩井徹朗★会社の土台作り (2010-07-28 10:49) 

beni_ha

岩井先生 殿

コメントありがとうございます
ご指摘の通りです

事業計画がベースになるのだと思います

ただ、前回の衆議院選挙や知事選挙などで、「マニフェスト」に光があたりすぎたため、
①政策が散漫になっている
②優先順位が曖昧
③項目や課題が硬直化している(フレキシビリティがない)
等の課題が顕在化しているのではないかと思います

本文も少し修正させていただきました


by beni_ha (2010-07-28 12:20) 

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