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「保存1年」のスタートは?~私の知っている「文書管理」 [仕事についてのエトセトラ]

今年は文書を「保存しているかどうか?」が話題になった一年でした。

「防衛省」「森友」などの国会論戦の中で話題になりました。


ところで「文書を1年保存する」「保存不要」ということはどういうことなのでしょう?


銀行員だった私の経験で言うと、

「文書保存」のスタートは「書いた時ではなく、その事案が決着した時」だということです。


国会論戦では、まるで「その文書を作った時」がスタートのような話であったり、「書いてそれなりの人が読んだら捨てました」という「回覧板」のような話であったりで「それなりの文書がない」という議論がなされたはずです。


銀行では、すべての文書の保存は「書いた時」ではなく「役目が終わった=事案が決着した時」がスタートでした。

例えば、「貸出期間10年」の融資の判断・決裁をするときに用意した書類は、「その文書を用意した(書いた)時」ではなく、「この貸出の返済が終わった時」がスタートでした。

しかも、4月~3月までの年度単位の締め切りでしたから、正確に言えば、「貸出の返済が終わった年度」の3月末までは手元で保管し、文書保存ルールに従い、
翌4月1日に捨てる
何年か保存する
永久保存をする
がスタートしたのです。

なぜこんな七面倒なことをするのか?

銀行の融資は、返済が終わるまで(完済するまで)いつでも、「融資判断は正しかったのか?」が確認・検証されるからです
※たまに「延滞」とか「貸倒」ということがあったりするものです。


おそらくお役所の仕事でも「事案が決着するまで」は準備した資料を保管または保存しておくものだと思います。
今回の「森友」事案でよくわからなかったのは、「事案が決着(完了)していないにもかかわらず、意思決定の流れの書類が破棄されていた」ことです。


なお、銀行が融資審査の書類を受け取っても、結局は融資をしなかった(拒絶した)場合は、「融資をしない」という回答が申込者に伝わったことが確認できたらすべて返却し、内部的には断った旨の記録を残しておりました。


つまり、貸すにせよ貸さないにせよ「自らを守る自己保身」「組織防衛」のため、記録となる文書は「事案が決着する」まで残しておくのです


笑い話ですが、今のようにコンピュータが発達するまでは「文書整理運動」が内部的にはよく行われていたものでした。


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