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「就活ルール」のこと [シュウカツ]


「よく言った中西さん」という感じがします。

経団連会長、就活ルール廃止に言及「日程采配に違和感」
(日経新聞 18.09.03)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3491328003092018EA1000/

経団連の中西宏明会長は、いわゆる「就活ルール」について、
国境を越えた人材の獲得競争が広がり、経団連が個別企業の採用活動をしばるのは現実に合わないとの意識がある
経団連が採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感
・経団連がルールをなくせば自由な採用活動が一段と広がり、新卒一括採用を前提とする雇用慣行の転機となる
とおっしゃったようです。

テレビのニュース番組を見ていたら、「単に採用の問題だけでなく、終身雇用などの日本の雇用制度や大学側の問題も相当ある」と中西会長はおっしゃっていました。

※現行のルールでは、2020年春入社の学生までは前年の6月1日に採用面接を解禁し、10月1日に内定を出すという日程


私はとてもいい問題提起であったと思います。

その理由は、

●そもそも採用時期が早すぎる(これでは学生は勉強する暇がない)
新卒採用者の3分の1が3年以内に退職するという現実
●最近の大学生は就社後の育ちが悪い(大学で勉強していないし、メンタルも弱い)

●企業の側も、「人手不足」と言いつつ「一度に大量採用する時代ではなくなった」
AIの発達若手の退職増中途採用の一般化などからも一括採用による「研修」「育成」することが必ずしも必要でなくなった
●「雇用延長」で実は人員的には余裕がある
●定年退職者は誕生日の月末退職であり、人員のダブリもある

●「転職」の活性化を生む
●かえって「中小企業に有利」ともいえる

と言った事情を考えると「就活ルール」の見直しは、
大学での学生のあり方の見直しができる
企業の人材に流動性を持たせる
人口減少社会」における企業の人的構造問題に対応する
結果となることから是非とも実行するべきだと思います。

なお、「高校生」の新規採用時期には、大学生とは違う配慮は必要なような気がします。



※(参考)新聞各社の社説

毎日新聞
就活ルールの廃止表明 何らかの「目安」は必要だ」(18.09.05)
・採用ルールが廃止されると、人事担当の体制が充実している大企業が有利となり、中小企業が割を食うことは目に見えている。
・学生にとっては留学や課外活動の計画を立てることも難しくなる
今後の人口減少を考えれば、若い世代は産業社会全体の共通財産とも言える。学業を優先した就活ルールの確立と順守の方策を政府や経団連は考えるべき


日本経済新聞
中西氏の問題提起受け就活論議を深めよ」(18.09.05)
・学生の多くが就活の進め方の目安にしてきた経団連ルールがなくなることで、混乱を招く可能性は高い。経団連は大学や文部科学省などと就活のあり方について議論を尽くすべき。
・効率的な新卒一括採用が、他社の経験のない若者を自前で長期的に育てるという日本企業の慣行の土台になってきた。
・グローバル化やデジタル化が進み、企業は人材を外部にも柔軟に求める必要性が高まっている。環境変化に合わせ採用活動も見直すべき。
・就活がさらに早くから本格化する可能性がある。人手不足で以前より内定をとりやすいとはいえ、学業への影響が懸念される。一括採用が新卒者の雇用安定につながっているとの指摘もあり、その反動も考えた方がいい。
・通年型の採用が浸透し、学生の能力や適性をよく見定める企業が増えれば、採用のミスマッチが減って早期の離職を防ぎやすくなることも期待。


東京新聞
就活ルール 企業、大学もっと議論を」(18.09.05)
・罰則のない紳士協定で、解禁破りが六割に達しているとの調査があるほど現場では青田買いが横行している。
経済のデジタル化が世界に広がる中、これまでの採用方法では国際競争に勝ち抜くための人材を確保できない各社の経営方針に合わせた通年採用などの導入が不可欠との危機感が背景
・就職が人生を大きく左右する学生、送り出す大学からは早くも反発が出ている。形骸化とはいえ、指針は就職活動開始の目安になっており、歯止めがなくなれば「なんでもありになってしまう」との不安がある。
学生、企業の将来のために徹底した議論が必要。


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