今こそ「廃業支援」を! [裏づけのない経営学]
コロナ感染が広まり始めた頃、識者の話によれば、
●コロナ倒産が増える
●景気の悪化による自殺者が増える
と言うような話をなさる方がありました。
2020年も半分過ぎましたが、「倒産」件数、「自殺者」数の状況はどうでしょうか?
あまりマスコミも取り上げません。
「確報」が手元にないので「速報」ベースでみる限りでは、それぞれ「増えていない」と言うのが実情のようです。
ひょっとしたら経済的影響が色濃く出てくるこれからなのかもしれませんが。。。
「倒産」については、
●手形・小切手などの銀行取引をなさる人が減少し「銀行取引停止処分」と言う明確な倒産形態が減った。
●新型コロナの影響で裁判所が開かれず「法定整理」手続きがストップしている。
●「倒産」ではなく「廃業」が増えている。
と言うことがあるのかもしれません。
「自殺」については、
●職場に行かなくてもいいことから「職場うつ」が緩和されている。
●親世代が生活の面倒をみている。
と言った過去にはなかった現象が定着してきたのかもしれません。
私は仕事柄たくさんの「倒産」事例を見てきました。
そのときに思ったのは、
●「夜逃げ」をしたり、「家を売却」したのは経営者
●従業員の方は「ほっとした」様子の人が多かった
と言うことです。
特に、経理担当で会社の資金繰りをよくご存じだった方は気のせいか「肩の荷が下りた」ように見えたものです。
・綱渡りの資金繰りから解放
・いろいろな人からの督促から解放
・給料遅配からの解放
等々、本当に苦労されてきたのですから。
現場で働く皆さんも「この会社持たないな」と薄々感じていた人も多いようで、まさしく「ほっとした」感が出ていました。
転職先さえ見つかれば、今までよりも楽な暮らしが待っていたからです。
※転職できる「手に職」や「勤労癖」のある人に限りますが。
「新型コロナ」の対策を論じるときに気になるのが、「経営者が持つ経営リスク」を語ることなく支援が必要と言う人が多すぎることです。
「経営の才覚と努力がない」人が経営者のままでいてもいつかは「破綻」の結果が待っているからです。
「コロナ倒産」のニュースがすぐ忘れられてしまうのは、「コロナがきっかけ」にはなったけど「あれじゃぁな」と言う企業(ご商売)が多いのも実情だからではないでしょうか?
今から一年ほど前の「企業経営」の課題と言えば、
●後継者がいない
●人手が足りない
だったはずです。
売り上げが減れば「人手」は不要になりますが、後継者の問題は売り上げに関係なく重要なテーマのはずです。
「後継者がいない」と言う問題に直面された企業の多くは今の経営者が「高齢」とか「体調不良」と言うことが多かったと思います。
「コロナ」による売り上げ減は実は「廃業のチャンス」に他ならないのです。
今までは「だましだまし」で来ていらっしゃったのですから。
ただ、
●技術が失われてしまう
●従業員の生活を考えると忍びない
●この企業がなくなると困る人がいる
と言うことがあるのだとしたら、
①経営と資本の分離を行いながら「誰かに経営をしてもらう」
②M&Aで企業を売却する
と言った巷間よく言われる方策もあるはずです。
「コロナ」で企業支援と言う言葉を使われるのなら、こういう「廃業支援」と言う選択肢もあっていいはずです。
例えば、
●「企業を譲り受ける」人への資金支援(劣後ローンや出資)
●譲渡にかかる税金の免除
等々、考えればいくらでもあるはずです。
なぜ「税金で支援するか」というと「世の中に必要なご商売」なのですから。
「コロナ」に乗じて「世の中に必要でもないご商売を支援する」と言うのとは意義が違います。
そういう議論をもう少ししないと「税金はいくらあっても足りません」
判断のキーワードは、
「世の中に必要かどうか?」
「将来、法人税や所得税や従業員の所得税などで納税と言う形で返してくれるか?」
です。
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