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ビジネス成功者の憂鬱(唯一の悩み) [企業経営の風景・裏付けのない経営学]

創業オーナー経営者 あるいは 企業最高経営者の方にお会いしたとき、「ふっ」と顔にさみしさが覗くことがあります

ある実力経営者がいらっしゃいます
彼は創業オーナーで、自社を財務内容の抜群の企業に育て上げ、今は会長職として、悠々自適な生活で、犬の散歩と週一ゴルフを最高の楽しみとされています
その会長が、小生に会うたびに口にされる言葉があります
「息子は大丈夫か?」「ちゃんとやっているか?」ということです

ご子息は、ある大手商社出身の40半ば アメリカ勤務の経験もあり、お父さんに似て、ゴルフもシングルプレーヤー顔負けの腕前です
当然のことながら、仕事の力量も抜群のレベルです
そのご子息のことを、いつもご心配されているのが、先程の会長なのです
すでに、ビジネスの大半は権限委譲されていますが、それでも、いつも「息子はちゃんとやっているか」が口癖です

そのご子息は、
①確かに、クールすぎるところもあるのでしょう 友達づきあいも是々非々です
②そういいながら、ゴルフとかには夢中状態というのも気になるのでしょうか。。。

ある日会長に承ったのです
創業まもないころ、一進一退の経営状況のとある日工場が爆発し、一緒に仕事を始めた仲間が、自分の目の前で、爆風で吹き飛ばされて命を落とされたらしいのです
会長の成功の裏には、仲間の犠牲があり、自らはたまたま吹き飛ばされなかった という原体験がおありだということです

それに比べ、順調に有名大学を卒業し、有名商社に入り、アメリカ勤務を経験し、お父さんから見れば、何一つ苦労なく、親の会社の後継ぎになったことの一抹の不安がおありのようです。。。。。。


ビジネスに成功した経営者の多くの方は、業績も順風漫歩で得意満面な顔をいつでもなさっています
しかしながら
事業承継の問題になると、時折、顔が曇ることがあります
銀行員といえども、正面からは、なかなか「後継者はどなたですか?」と聞きにくい部分もあるのも事実です
昔なら、「お前のせがれはいつから後を継がせるんだよ!」などと気軽に話しかけてくれる仕事仲間がいらっしゃったのでしょうが、最近では、どなたもプライバシーに踏み込んだ話を嫌われる傾向が強くなってきました
したがって、一人でお悩やみされる問題になってしまいがちです

事業承継あるいは後継問題の悩ましさは
①まだ、退陣したくない
②任せるに足りる後継者がいない
③任せたいが、後継ぎとして十分な人材なのか(能力があるのか・人望があるのか)不安
と言った課題が内在します

一番言いにくいことは、「退陣」を口に出しにくいということであり
一番深刻なのは、「後継者が育っていない」ということです
また、自分を助けてくれた番頭さんとかも、自分と同じ時期にビジネスを卒業していくことから、息子には周囲に支援者がいるのかどうなのか。。。。ということが、すごく不安になってしまわれるのです

どの企業も、いつかは世代交代の日が来ます
「企業20年説」とか「企業30年説」と呼ばれることがありますが
実力社長が、リーダーシップをフルに発揮できる期間は、長くても20年~30年程度だということに起因しているのかもしれません

対処法としては、
①自らを超える後継者はなかなかいないと思うこと
②一人では弱いが、組織力で対応すれば、自分より強固な体制となると信じること
が一番ではないかと思います
「後継ぎはせがれ一人」と考えずに、「息子を立てながら、みんなでやっていく体制」を構築されるのが一番ではないかと思います

(もし、メガネに適う後継者・後継体制を見いだせないのなら、「資本」と「経営」の分離を考えることも一つの方策です)

ただ、「親の心子知らず」的な部分も多く、お父さんの力や権限をすべて引き継いだと勘違いされる後継者も多いのも事実です
特に、「二世経営者の会」的な飲み会などに参加してみると、その上げ底な部分を垣間見ることが多いです

後継者の方へアドバイスです
「あなたは、お父様を超えることはできません ただし、組織力を整え、しかも自社をよく知っているパートナーを味方につければ、1+1=2+α となって、お父様を超えることが多々あります

一番まずいやり方は
①すぐお父様のやり方を否定すること
・・・・・大企業出身の方は特に要注意です
中小企業はこのやり方で粘り強くやってきているのです
大企業のように、順送り人事や好き嫌い人事の結果、不適切・不似合いな人がポストに就くようなことはありません

②コンサルタントに頼ること
最近の若手経営者の方は、学歴も高く、お勉強の聞きかじりが大好きなせいか、コンサルタントには耳をよく貸される方が多いようです コンサルタントを入れてうまくいった会社は少ないようです
製造の現場・営業の現場に溶け込んでみて、自社のストロングポイントとウィークポイントを峻別し、時間をかけて今風に変えていけばいいのです

③新しい仕事に飛びつきすぎないこと
お父様が培って来られたビジネスは長い時間をかけて熟成されたものです
そうそう簡単に新しい仕事がうまくいくものでもありません
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