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(地方創生は)「発想の転換」ではなく「基本に忠実」 [素敵な企業、素敵な経営者]

先日「軍手」を買いました。

2つで100円程度といったものです。
「ちょっとした作業に使うものだからこのくらいでいいか」という軽い気持ちでした。

ところがどうでしょう。。。。。
・手を入れたそばから「糸が引っ掛かります」。
・・・・イライラしてしまいます
・親指の付け根あたりが膨らんでいて何となく手になじみません。
・・・・作業に集中できません
・手首のところのゴムも緩い気がします。
・・・・安全のため、機械に巻き込まれた時に脱ぎやすいようになっています

その時に思ったのは「島社長に笑われる」ということでした。
私は一時的な作業でたまたま「軍手」を買い求めたのですが、プロの方はこれでは使いものになりません。

今の軍手を改善なさったのは他ならぬ島精機製作所の島社長だったからです。



昨日(11月21日)の朝の「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ系8:00~9:25)では、「豊かさは地方にあり!知事が語る“発想の転換」という特集をやっていました。

進行役は辛坊治郎氏、対談のお相手は、和歌山県の仁坂知事、鳥取県の平井知事でした。
そこで取り上げられたのが、和歌山県にある「島精機製作所」です。

ある知事は「これからは『発想の転換』が必要」とおっしゃっていました。


果たしてそうでしょうか?

島精機の工場が映った時、みなさんはどんな感想をお持ちになりましたか?

私は、

工場がきれい (整理整頓が行き届いており、機械と機械のスペースが広い)

島社長が、一日に本社工場を2回巡回され、その都度社員の皆さんに声をおかけになる

ということでした。


なんと基本に忠実な社長さんなのでしょう。



実は、私は、2000年に初めて島社長にお会いし、それ以来何度もお話しを聞き、本社工場やデザインセンターをご案内いただき、ゴルフ、クルージングまでも島夫妻にご一緒させていただきました。

その時の強い感想が「基本に忠実」ということであり、「発想を転換された」というテレビの取り上げ方はあまりにも失礼なような気がいたしました。


ある時は、社長から「社員食堂で食事をして行ったらどうだ」とお薦めをいただき、当社のナンバー2の常務に案内されて本社内にある社員食堂で食事をしたことがあります。

イタリア(あるいはフランス)から取り寄せた「白い食卓とイス」が印象的な素敵な食堂でした。
メニューも(すでに)モニター画面に表示されていました。

ところが、気になったことがありました。
食事時間のピークを過ぎていたこともあり席は十分空いていたのですが、通された席は入り口近くの騒々しく落ち着かないところでした。
常務いわく「そこが島が食事する席です」と。。。。。


島社長について印象深いのは、とにかく「基本に忠実」であるということです。
突拍子に見えてしまうのは、あまりにも「原理原則」を大切になさるからではないかと思います。

たとえば「お母様の手間を減らす」「安全な作業に役立つ」「カットロスを減らす」にはといった明確な目的を達成するために合理的なアイデア・発想を重視されてきたように私には見えました

※なお、「地方創生」などと言わなくても、私がお会いした島社長は、15年前にはすでに、私財を投じて「地元の振興・活性化」に尽力なさっていました。



私はたくさんの企業経営者の方々とお会いしましたが、「奇抜な発想」で長続きしたという企業の思い出はありません

アンデルセンの童話「裸の王様」と同様「本当のことを見極め」、「基本に忠実」なことがたくさんのアイデアを生んだと思えてならないのです



番組の終わり近くで、

読売新聞特別編集委員:橋本五郎氏「東京に50年近く住んでいますが人が多くて疲れますね

進行役:辛坊治郎氏「しかし地元の町内会の人は怒るんじゃないですか」

とのやり取りがありました。

読売新聞本紙の論説も時々ぶれていると思しきところがありますが、「橋本さん大丈夫ですか?」
人が多くてお疲れになるのなら、「あなたこそ東京を脱出」なされればいいのではないでしょうか

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