「名札」の役割 [究極のCS、究極の金儲け]
おそらく「名札」をつける企業や企業人が増えてきました。
しかし「名札」の役割は昭和の時代とはずいぶん変わってしまったようです。
例えば、
①「名札」に書いてある事柄
●昭和の「名札」は苗字(姓)のみでした。
●令和の「名札」は氏名(苗字と名前)に加えバーコードや数字が入っています。中には写真があったり出身地まで書き添えてある名札もあります。
※昭和の時代でもある業種に限っていえば「下の名前」だけのものもありました。
②「名札」をつける位置
●昭和の「名札」は胸につけるのが一般的でお客様に見えないつけ方は叱られたものです。
●令和の「名札」は首からかけている人も増えました。CS(顧客満足)重視の企業活動の中にあってお客様からは「名札」の本来の役割である名前が見えないという状態の人も増えました。
③外出時の「名札」の取り扱い
●昭和の「名札」は社内・店内から外に出るときは外すのが普通でした。
●令和の「名札」は公務・私用の別なくつけたままの人が増えました。横断歩道の赤信号で待っている時や電車の中でも「組織名・氏・素性」が他人にわかってしまうという状態にあります。
首にかけた名札の紐に企業名が織り込んであるものもあります。
Nikon、Canon、SONYの製品のベルトのように。。。
※背広の襟元につけていた「企業のバッチ」(特に銀行)がある時からなくなったことなども世の中では忘れられているのかもしれません。
かつては背広を着ている時はバッチ(徽章)をつけていないと叱られたものでしたが、私生活でトラブルに巻き込まれやすいということでいつの間にか廃止されました。
同じように多くの企業の社宅(舎宅)の看板も消えてしまいました。
(郵政舎宅、公務員宿舎などの表示は残っているようですが)
令和の「名札」についてみれば、「個人情報の開示制限」、「ストーカー防止」、「CS(顧客満足)」「セキュリティ」などの経営テーマから「名札」だけは例外のようです。
④「名札」の役割
●「顧客対応のため」から「デジタル管理のためのツール」という役割への変化があるようです。
・入退出のキー
・パソコンや端末操作のためのキー
と言った使用者認識の役割と言う大きな目的があるようです。
つまり、デジタル化の進展に伴い「顧客対応という役割」よりも「認識証という役割」の比重が重くなったからでしょう。
⑤紛失した時の対応
ここまでくると紛失したときは大変なようです。
セキュリティに大きく影響しますから。
私の銀行では昭和の時代でも「紛失」は始末書が必要でした。
プラスチック製のため壊れることもよくあり壊れた実物が残っていたら始末書は不要で取り換えていただけるというルールでした。
⑥不思議な点
これほどまでにデジタル化が進んだ産物として変化した「名札」ですが、「顧客に見せる」ものから「機械に読み取ってもらうもの」に変わってしまったようです。
バーコードやQRコードで情報は読み取れるのですから、なぜ本来の役割である名前の表示が小さな字でしかもフルネームで書いてあるのか不思議でなりません。
高齢化社会を迎え「老眼鏡」でなければ読めない顧客が増えたにもかかわらず「名前」が小さいというのもいかがなものかと思います。
また「下の名前」まで必要かどうかも考えどころです。
デジタル化と顧客志向のミスマッチに誰もお気づきにならないのでしょうか。。。。
デジタル化の中にも上手にアナログの発想を被せていくことも必要なのです。
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