SSブログ

福岡にトヨタの工場がある理由(推測) [裏づけのない経営学]

ところで、日本の自動車工場というのはどういうところにあるのかご存じですか。。。
小生は、トヨタの人にも日産の人にもホンダの人にも聞いたことはないのですが、想像で少し話をしてみましょう

思いつくままに書いてみます
日本の自動車工場は、
①大都市近郊にある
②太平洋側にある
③軍需産業の立地していたところにある
というのが特徴的です

たとえば、歴史的に有名な自動車工場は
・群馬の富士重工
・東京の日野
・神奈川のいすゞ
・横浜・座間のニッサン
・浜松・磐田のスズキ・ヤマハ・ホンダ
・愛知のトヨタ
・鈴鹿のホンダ
・大阪のダイハツ
・岡山の三菱
・広島のマツダ
などなどでしょうか。。。。
最近では
・福岡や大分や熊本にも工場ができています

自動車産業というのは、
1.消費地立地型のビジネスです
自動車を運搬するトレーラーをご覧になったことはありますね
日本国内の物流は一度にあの程度しか運べないのですから
人口の多い大都市近郊に立地しておく必要があるのです

ちなみに、消費地立地型のビジネスとしてはビールも有名です
日本の大手メーカーの工場は必ず大都市近郊にあるはずです
ユーミンの歌にも登場しますからよくわかりますね
取手、船橋、府中、吹田、博多等々主要道路やJRの電車からもよく見えますね

2.気のせいか日本の自動車工場は太平洋側に発達しました
人口の多い大都市近郊にある必要があったからかもしれませんが、
やはり、太平洋を越えてアメリカへの輸出が中心だからでしょうか

3.やはり戦争とともに発達し、軍需産業の技術が活かされた
ニワトリと卵のような話かも知れませんが、戦争が自動車を必要とし、かつ、軍需産業をベースに発展を遂げたことがわかります
もっとも、トヨタもスズキも織機が出発点にはあったようです

ところで、最近は、北部九州に自動車工場が増えてきました
すでに、毎年100万台以上の自動車が生産(組み立て)されています
日本国内での自動車生産台数が、年間1,000万台くらいですから、ちょうど1割くらいになるのでしょうか

では、なぜトヨタは、北部九州(福岡)に工場を建設したのでしょうか
以前にも少し述べましたが、(失礼ながら)九州は、緻密なモノづくりをやや苦手とする地域のはずですが。。。
福岡には、軍需産業の姿に由来するらしいビジネスは残っていないようです

※「震電(しんでん)」という飛行機が九州で作られましたが、1945年の完成で、実戦には間に合わなかったようです なんでもアメリカのスミソニアン博物館に残されているようです

トヨタが九州に進出した理由を想像してみましょう
福岡は関門海峡を背にすると扇型であり、太平洋にも日本海にも出ることができる
そもそもアメリカへの輸出で成長していった日本の自動車産業ですが、これからのマーケットは中国を中心としたアジアです 「もしアジアが駄目なら太平洋を越えて」という逃げ道の残されている地域なのです

同じく日本海側の新潟や山陰とは違い、太平洋にも面しているのです

愛知のトヨタの工場には九州出身者が多い
九州の方には甚だ失礼なのですが、「九州は緻密なモノづくりにはやや向いていない」土地柄のような気がします ただし、しっかりした緻密なリーダーがいれば、熟練工に適している といえます
実は、愛知県にあるトヨタの工場の団塊の世代は九州出身者が多いらしいのです
そもそもトヨタの工場はトヨタ生産方式と九州の人たちによって支えられていたらしいのです
その九州の人たちがJターンをするということや、トヨタの生産方式は九州の人に受け入れられやすいというようなことがあったのでしょうか。。。

実は福岡は地震が少なかった
気がつけば、平成17年(2005年)に福岡県西方沖地震という震度6弱の大地震が発生してしまいましたが
死者は1名のみであり、また、大きな物損事故も少なかったことからも地震に強い土地柄だということが再評価されました
トヨタの工場が愛知に集中していることから、リスク分散のためにも地震に強い工場が必要であったかもしれません
この福岡県西方沖地震が発生した当時は、エンジン工場の本格稼働前だったこともあり、トヨタとしては、地震による工場建物・ラインへの影響をかなりチェック・テストすることができたのではないでしょうか

などなど、勝手に想像してしまいました
もし、みなさんが工場を建設されるとしたら、どういうことに重点を置かれますか。。。。。?
こんな風に勝手に立地理由を想像してみるのも楽しいものです
nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 2

コメント 2

ttkman

面白い観点ですね。
太平洋ベルト地帯に大手製造業の工場が集中しているのには
海外への輸出すなわち外需に合わせて、運航の利便性が関係
しているのと、内需ではマーケットが大きい人口が集中してい
る都市が太平洋側にあるのも要因かなあと。

運航口の位置も比例しているのかもしれませんね。

工場を立地する場合、以下を気にしますね。
・所得水準
・雇用ニーズが高いところ
・運航口に近いところ
・メインマーケットに近いところ
・関連する部品の工場を隣接できるところ
  ※要は運搬距離を極力短くする

特に最後の関連工場の隣接を最も重要視しますね。
無駄な運搬コストの削減と短納期生産を可能にし
エンドユーザへ安く提供できるように。

私も製造業での経験がないので、イメージだけて
考えてみました。


by ttkman (2009-05-24 15:44) 

beni_ha

ttkman さん コメントありがとうございます
丁寧に読んでいただき光栄です

小生は、特に勉強したわけではないので、実際はどうなのかよくわかりません
ただ、言えるのは、あまり教科書的ではないところに、成功の理由があると思うことがよくあるような気がします

感覚的なことが多いのですが、そのうちブログに書いてみたいと思います

たとえば、福岡ではトヨタの地元調達率はなかなか上がらなかったのが実情です
プレス工場は多いけど、メッキ工場やカーナビ関係の工場はないとか
また、トヨタの進出に伴ってやってきた企業もあります

自動車は、「命」に関係するビジネスですから、一定以上の品質が求められるとともに、コストチェックも重要です

難しい部品は、当初、岡山や名古屋から持ってきていました
また、中にはカナダから取り寄せているものもあるようです

・・・・・あくまでも推測ですが
by beni_ha (2009-05-24 17:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0