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半沢直樹と銀行のリアル [どう受け止めたらいいのか]

どんな職業でもテレビのドラマになるとオーバープレゼンスになるものです。
そうしないと面白くもなく見せ場も少ないでしょうから。

高い視聴率だった「半沢直樹」も先週の日曜日が最終回でした。

きっと多くの銀行員がご覧になったでしょう。
「こういうのあるかも」
「これはないな」
と思いはするものの「まぁテレビドラマだから」と納得しながら見た人が多かったはずです。


ただ、現実の銀行員の仕事はもっと地味で組織だって動いています。
私が現実との違いに触れると、


●コンプライアンス意識はもっと高い

気になったのは「法令」や「ルール」の順守状況が緩すぎること。
現実には内部検査や金融庁の検査も定期的にあり「半沢直樹」のような大胆な行動はありません。
銀行と証券のファイアーウォールはもっと厳しいものがあります。
※法規制がよく変わるため時代背景に照らすと異なる点もできてしまいますのでその点は悪しからず。


●情報セキュリティはもっと厳しい

・出向者と言えども現場に関係のないものは室内に入ることができません。
・他部署にも簡単には入ることができません。
・カメラ付き携帯は持ち込み禁止です。


●顧客情報は銀行内部者間でも簡単には口外できない

・ドラマでは顧客情報が簡単に流出していました。
・飲み屋や飲食店で顧客情報や行内情報の機微を話すことはない。
・廊下などでもあんなに話すことはないでしょう。


●役員室にはそう簡単には入れない

・内部と言えどもアポが必要です。
・呼び出されることもありますが、役員室への入退室は秘書を通さないとまず無理です。


●歌舞伎役者の口上のような会話はない

・「半沢直樹」がおもしろかったことの一つに出演者のセリフの妙がありました。ただ、銀行に限らずあんな話し方をする方はまずいません。


●個人プレーはまずない

・銀行と言うのは「組織で対応」する典型的な職場です。銀行員と話すと「本部が。。。」と言う言葉が耳に残るはずです。
単独で動き回ることはまずありません。


●「時間外勤務」には厳しい

・「サービス残業」「風呂敷残業」等々と労働基準局に何度も目をつけられていますので、「時間外管理」はものすごく厳しいものがあります。
夜中に動き回ったりと言うこともまずありません。
・入退出やパソコンを立ち上げた瞬間から時間外管理が始まります。


●「出張命令」や「外出管理」は厳しい

・半沢直樹ほどフリーハンドで出張したり外出することもありません。


●あそこまで「派閥」は露骨ではない

・私自身が派閥に関心がなかったこともありますが、どの銀行でもあそこまで「派閥」意識が高くはないはずです。
・役員会でも「その他大勢」的な役員はいないはずです。また「部長」の姿なく「次長」が役員会で発言することもないでしょう。


●国税調査の時はコピー機を用意する(移動させられる)必要がある

・ドラマでも国税調査が入った時には検査官のいる会議室にコピー機を移動させられるケースがありました。これは現実でもやらされたことがあります。



面白いドラマほど現実とは違うものです。
リアルに近かったらきっと面白くないでしょう。
実際の銀行員の職場はもっともっと淡泊なあるいは淡々としたものかもしれません。

正直に言うと最終回は短い時間枠に話題がてんこ盛り過ぎた感じがしました。



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