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「ひと」「もの」「かね」のほころび 破綻の原因 [裏づけのない経営学]

「会社は経営者の器以上に大きくならない」などとおっしゃる方もいらっしゃるようですが、本当でしょうか?

私の経験では
企業は「社長」だけで運営されるものではない
「社長の器」が小さくても「番頭さん」「従業員」さんなどがそこをカバーすれば成長していきます
 ~「2世経営者」「坊ちゃん社長」などには「器の小さな人」「器の形のよくわからない人」もいますが、それでも業績はよかったりします。

その事情は、
●企業の中にいる人
●取引先(仕入れ、販売先)
●消費者
等のステークホルダー(利害関係者)が支えているからです。


逆に「企業の破綻」「企業の倒産」はどう受け止めたらいいのでしょう。
社長(経営者)だけが原因でしょうか?

破綻の原因はいわゆる「ひと、もの、かね」のどこかに「ほころび」ができ、それを放置していることから起きるものです。

例えば、

1.「ひと」

①ぼんくら(放蕩)社長が原因のほころび部分は確かに大きいでしょう
②しかし「番頭さん」はどうしていたのでしょう?「見て見ぬふり」をしていたのでしょうか?
 ~「社長に諫言はできなかったのでしょうか?」
  「中には彼の退職で回らなくなることもありがちです」
③従業員さんはいかがでしょう
 ~「倒産会社に相応の社員さんが多い」のも実情です。
忠誠心も少なく、仕事ぶりが緩慢です。それどころか「横領(使い込み)」のようなことや「気ままな出退勤」「休暇が多い」などと言うことも見受けられます。
④後継者はいますか?
 ・経営者
 ・番頭さん
 ・ベテラン従業員
 等々の「跡継ぎ」(候補)はいらっしゃいますか?
人の入れ替わりまたは不足が一度に来ると「破綻」への道に突き進むようなものです。


2.「もの」

①商品競争力はありますか?
 ~意外にも商品寿命と言うのは長くありません。
 ・消費者の飽き
 ・他社の新製品
 ・他社の価格競争力
 ・他社の品質
等々、比べれば「売れなくなる理由」はそこかしこにあります。

②設備に不安はありませんか?
 ~「安全第一」を標ぼうする企業は多いものですが、労災事故が多いのも「破綻」への道です。
 そういうところで「あなたの配偶者、子供、親子兄弟姉妹さんを働かせますか?」
 と言うことです
 また、「新製品」「付加価値」「コストダウン」ができますか?
 「設備」というものも破綻の引き金の一つなのです。
 設備を間違えると「効率も悪く」「競争力のある製品が作れない」ということもよくあることです。

③工場や店舗などが「不潔」「古臭い」「福利厚生を顧みない」ようなものでは従業員は転職さえ考えてしまうでしょう。


3.「かね」

お金が不足すると
・原材料の仕入れもできなくなります
・「賃上げ」どころか従業員さんのお給料も払えなくなります
・設備の更新もできません

まさか「社長の車」「社長の飲食」「接待」「社長の私生活」などにお金が消えていたりしませんか?
あるいは「直接、利益を生まない」(例えば事務所等)場所やものにお金がかかったりしないでしょうね。


すべてが「社長が悪い」ように見えるかもしれませんが(確かに社長が悪いのですが)、倒産企業の従業員さんと話すと「仕事に向き合う姿勢の緩さ」も間々あります


こういう「ひと」「もの」「かね」のほころびこそ倒産(破綻)への道なのです。


銀行員というのは無借金企業でも「お金を借りる」ことを薦めてきます。
「自社の預金に高い金利をつけて『借りろ』と言ってくる」ようなこともよくあります。

しかし、ところがどっこい、いい企業というのは「それでもお金を借りてくださいます」。
ポイントは「銀行は有力な経営のパートナー」だからです。

上に挙げたような「自社の弱み」をストレートに(しかも無料で)指摘してくれるからです。
お人よし的に「ああしろ、こうしろ」と言ってくださる方は世の中には必ずいらっしゃいますが、どこまで「責任を持っていらっしゃる」でしょう。


銀行は「様々なトークを通じて信頼力を高め」、その結果として「さらなる取引拡大」を目指します
その時「破綻しそうな企業にそんなことやりますか?」ということです。

最近はますます「企業寿命が短くなったような」気がします。
「一人でできるもん」的な経営ぶりの方も増えたような気もします。

銀行も企業経営について勉強をしなくなりました
そういう「短絡的な」お仕事のやり方を双方がやっていればいずれの企業も(銀行も取引先も)強くあるはずがありません。

「損して得取れ」というのがかつての「産業政策のポイント」だったのです。
今のように「補助金、補助金」と叫んでいても企業力は高まらないのです。


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