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「消費税ゼロ」でも豊かな社会は来ない [少し政治的な話を。。。。]

日本には伝統的に「賢い消費者」という考え方があります。
「安物買いの銭失い」という言葉にも代表されるように「節度ある消費者」というのが実情です。


ある「消費税ゼロ」を党是とする野党支持者の方のツイート。。。


給料が上がる社会にする方法

①消費税ゼロにする

②消費が増える

③経済成長する

④物が売れて企業の業績上がる

⑤法人税累進強化(中小は実質減税)で設備投資や賃上げ促進

⑥従業員の給料上がる

⑦結婚や出産しやすくなる

⑧子供が増え更に経済好循環


さてさて皆さんはこのバラ色話をどうのように受け止められますでしょうか?

確かに「GDP」の主要構成要素である「消費」ファクターですが、「消費者」の存在を考えれば「伸びしろは少ない」と考えた方がいいようです。


例えば、

1.「消費税をゼロ」にしても買い物は増えない

①不要なものはいらない
②量消費(特に飲食)には限界もある
③「ないものを買う」のならまだわかりますが「あるものを買う」というとどんなことが起きますか?
 →「廃棄物が増える」
④所得が増えない限り「買い物」には限界があります

2.「消費」が増えても「経済成長には限界」がある

消費ファクターには2つあります。
一つは個人消費
一つは企業消費
です。

①毎月月末に統計局が公表している「家計調査」でわかるのは「個人消費」の傾向です

「家計調査」は「全国約9千世帯の方々を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査」している法定アンケート調査です。
ここには「企業の消費」状況は載ってきません。

②「個人消費」と「企業消費」の両方をとらえることができるのは「販売統計」です

車でもボールペンでもレジでお金を払うのは「一人の人間」ですが、お金の出所が違います。
・個人の財布から出れば「個人消費」
・企業の財布から出れば「企業消費」
です。
デパートのお菓子売り場などでよく見かけるのは「領収書を下さい」という光景です。
企業は経費で落とすので「領収書が必要」なのです。

販売統計は
・自動車販売統計
・チェーストア販売統計
・百貨店販売統計
などが有名です。


3.「物が売れれば業績が上がる」というのも幻想

①利益の伴わない販売は儲からない(業績はよくならない)
②商品仕入れコスト、人件費の増加等を考えれば「物が売れる」=「業績がよくなる」というわけでもないようです
③「輸入品を仕入れて売る」だけでは日本のメリットは限定的


4.個人消費は年齢・世代により異なる

ライフステージによっては
①シンプルに「買い物に回す」ことができないこともあります
②「売れる商品」にも変化(多様性)があります

例えば、
●子育て世代は子育て世代なりのお金の使い方があります
●住宅ローン世代は「ローン返済」という強制があります
●高齢者世代は「量消費」には限界があります
・明らかに食事量は減ります
・「高齢者」ならではの買い物もあります
・「終活」を意識したらむやみには買い物はできません
・「医療費」「介護費」が増えるということもあります


5.「人手不足」という壁

今の日本を見ると
必要なビジネス(特にエッシェンシャルワーカー)には人が集まらず、必要性の順位の低いビジネスで働きたがる人が多いようです。

「必要性の順位が低い」ビジネスは結局「競争が激化」するだけのことで「儲からなくなる」でしょう。
テレビでちやほやするようなビジネスこそ寿命が短い」ということも言えるでしょう。


ことほど左様に「消費税をゼロにすれば景気がよくなる」⇒「賃上げが起きる」というのは幻想です。

マスコミに登場するエコノミスト(もどき)の皆さんの話に騙されませぬように。
「消費税をゼロにする前にやること」はたくさんあるようです。
「消費で経済を回す」というのも同様に幻想です。




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