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「関西電力の金品受領問題」は企業経営を変える [裏づけのない経営学]


今回の「関西電力」経営幹部の金品受領問題には本当に驚きました。

平成12年の国家公務員倫理規程の施行以降、大手企業にも同様の規定が作られ、コンプライアンス元年としてスタートしたからです。

さらには、「反社会的勢力」には毅然とした態度で臨むというのもここ10年の企業経営を取り巻く大きな行動規範となっています。

今回の関西電力経営幹部の記者会見を聞くにつけ、

「あなたたちはこんなことも知らなかったのか?」

と聞いてみたくなってしまいます。



マスコミでは、「具体的な金額が定めてなかった」とか「刑事罰を加えるには証拠不十分」と言った伝え方がされていますが、

常識に照らしても今回の金品授受は異様。
~金額が大きすぎるし、時代劇のような渡し方。

素人考えでは、「関西電力が地元の有力者に金品を送ったり便宜を図ることはあるかもしれない」ということは理解しやすいが今回は逆。
~隣近所で住宅建設の工事の時に施主さんがお菓子やタオルなどを持参してご挨拶なさるケースはありますが、今回は施主がもらっている。

業者からの金品贈与は3億円超に上るが、業者にはそれ以上のメリットがあったはず。
~メリットがないのにこんなに多額の金品が動くはずがない。

地方での「公共工事の受注に際し地方自治体のトップに資金還流がされているのではないか」という噂は聞いたことがある。
~「受注したい」と思う業者があるのは事実。

多くの企業では、平社員が多額の金品を業者から受領をしていたら内部的には懲戒処分等を受けるはず。
~今の企業のコンプライアンス態勢は本当に厳しいものがあります。

というようなことなどを考えればその違和感もよく理解できるはずです。


今回の件は、関西電力という日本を代表する公益企業での出来事です。
おそらく、

経営倫理 ~ 企業経営上の「誠実さ、高潔、まじめ、首尾一貫など」

コンプライアンス ~ 法令遵守

ガバナンス ~ 経営プロセスの管理

内部統制 ~ 経営管理の仕組み

と言った経営システムを各企業があらためて再点検する契機になること間違いなしです。



等々に照らしても、異常であるはずです。

昨日のニュースでは、他の電力会社では「こういう事例はない」と相次いで伝えていました。
「電力各社、原発不信を警戒 同様事例「ない」 関電金品受領」(朝日新聞 2019年10月3日)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14203172.html?rm=150


関西電力だけが特別だったと思うしかありませんが、もしそうだとしても、今回の事例は、日本企業の経営倫理に大きな波動を犯すこと間違いなしです。

今回の関西電力の事案を一言でいえば「ズブズブ経営」。

最近起きた日産経営陣の問題とは似ているようで大きく違うのです。
日産の事件は「がめつい人たち」の悪質行動





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