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輸入品ばかりの日本 [どう受け止めたらいいのか]


「だって、この国で作るよりも輸入品の方が安くてパフォーマンスがいいのだからいいんじゃない」
こう言ったのはアメリカにある大学の売店の店員さんでした。
1986年のことでした。
この店にはアメリカ製のものはなく韓国や台湾製のものが大半で、日本製のものはショーウィンドーの中に入っていました。


今回の物価高を伝えるニュースを見聞きするたびに思うのは私たちの買い求めているものの多くが輸入品であることです。

再生エネルギーを語る人がいても、あのソーラーパネルも風車も日本製のものがありますでしょうか?
インバウンドに頼った観光政策も見方を変えればお客さんの輸入ということができます。


かつて私が見たアメリカのようです。
違うとしたらアメリカには資源があり、これはというものはアメリカで作っているということ


「賃上げ」とか「雇用」という時に付加価値のつきやすい仕事が日本にはどのくらいあるのでしょうか?
かつてから比べれば「手の汚れない」「比較的楽な仕事」「大学を出なくてもできる仕事」が増えているような気がします。

そして「介護」「看護」「長距離ドライバー」「建設作業」「農作業」「生産現場の工員」と言った職種には人手不足が起きているようです。


「景気」「物価」「雇用」「働き方」という時に何か欠けてしまったものがあるのが日本です。
リモートワークで仕事をやった気になっている方も多いかもしれませんが、机の上だけでできる定型的な仕事はますます「低賃金」「人余り」が続く予感がします。


かつて給料が高いと言われた銀行も、今では店頭顧客対応の預金の預け入れ部門には「パート」さんや「派遣」さんが座っています
それどころか人員削減が進んでしまいました。
AIの発達も相まって人手に頼る難しい仕事はずいぶん減りました
皆さんの多くは銀行の店舗で行員さんとお話しすることもほとんどないのではないでしょうか。


仕事ぶりは旧態依然で「賃上げ」や「働き方改革」を求めることには違和感がいっぱいです。
輸入品よりも合理的な製品・商品を作る工夫や努力をしないままの「賃上げ」を求めるのもいかがなものでしょう。


日本でしかできない産業」をさらに育成しあるいは「日本でやることが合理的な産業構造」を作り上げることが急務です。


そういうことが「新しい資本主義」なのでしょう。
世の中や国際分業化は大きく変わってしまったのに「政治家」「評論家」そして「多くの国民」の皆さんが昔のままの絵を描いたままでは日本の劣化はさらに進んでしまうでしょう。


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