SSブログ

「イアン・ブレマー」氏の予言するポストコロナ [新型コロナ]

「ポストコロナ」についてはいろいろな切り口があると思います。
昨夜(2020.5.5)のNHK:ニュースウォッチ9で有馬嘉男キャスターと対談していたアメリカの国際政治学者:イアン・ブレマー氏の話がとても面白かったので、将来の検証のために文字おこしをしてみました。

日本の産業政策や外交政策を司る政治家の皆さんはいかがお考えなのでしょう?


以下は番組から。

コロナ禍を生きる” 
一変する世界」「加速する脱グローバル化

●世界は後戻りできないほど様変わりする。

●この危機による経済的影響を今後何年にもわたって感じることになるだろう。

過去の出来事とは桁違いだ。世界の経済全体が次々と閉じられた。

●あらゆる業界の需要と供給が途絶え大量の失業者が生まれている。

●世界は一変するだろう。具体的にはパンデミックが世界を変えるというよりもその変化を加速させる。10年で起きる変化が18か月で起きようとしている

●今、グローバル化の流れからそれる動きが加速している。私たちはあらゆる国際的な移動を中止している。サプライチェーンの非常に多くの部分も分断されている。食料や消費財において。

●「従来の物資の調達や生産の方式は危険だ」と企業は言い始めている。パンデミックのような事態によってとても簡単に分断されてしまうからだ。企業はグローバル化についての考え方を変えるだろう。ナショナリズムや保護主義が強まる

この50年間私たちの進歩のほとんどはグローバル化の拡大によってもたらされてきた

寿命は延び教育・医療・食生活が改善した。そして世界中に中産階級が生まれた

●グローバル化した世界で先進国の企業は安い労働力を求めて海外に進出。世界各地で雇用が生まれ中産階級の出現につながった。それがグローバル化がもたらした恩恵だった。

●(脱グローバル化は)オートメーション化、AIの進化、ビッグデータの活用、ロボット工学によって労働力は必要なくなる

●パンデミックのリスクが露呈した世界では企業は自国に回帰する動きを強める。その際にネックとなるのが高い人件費。企業はそれを抑制しようと技術革新を一層加速させる。それが第4次産業革命だ。

●かつて産業革命が起きた後のように不平等が拡大し世界中の中産階級が苦しむことになる。
もっとも大きな打撃を受けるのは労働者と中間層だ。知識経済、ハイテク企業、富裕層は打撃を受けない。その結果、不平等がはびこり反エリート感情が高まりそしてポピュリズムが勢いを増すだろう。

●世界は急速に引き離されている。まともな成長を望めず効率も悪くなり地政学的な危険が高まる。

●中国は明らかに大規模な宣伝活動に乗り出している(マスク外交のように)。
最も貧しい国々は中国を歓迎するだろう。他に選択肢がないからだ。アメリカやヨーロッパ各国からの助けを期待できない時中国の支援を最も必要とする国々だ。東南アジアやサハラ以南の国々、東欧、南欧、南米の一部の国だ。

●しかしアメリカの核となる同盟国が中国への依存を深めることはないだろう。
ドイツ、日本、カナダ、メキシコ、イギリスなどだ。これまで世界は中国になびいてきたがこれからは分裂がますます進むだろう。

●これまで米中は互いを必要としてきた。相互依存がある限り争いを求めることはなかった。アメリカが中国をたたけば自分も傷つくからだ。

●しかし二つの経済が切り離され、世界の二大経済大国の対立の先鋭化を抑止できた仕組みが失われれば、それは明らかに今後生じるもっとも大きな危険となるはずだ。

●勝者になる国などない。強力なハイテク企業があるアメリカはうまく乗り切るだろう。しかしこの危機がなければもっと良い状況にあったはずだ。

●日本がどんな役割を果たすのか、3年後にEUが存続しているのかも分からない。非常に不安定な時期なのだ。

●今回のパンデミックが示したのは、国際的な協調をなくした世界がはるかに危険になっているということ。この危機を脱するための解決策は各国の政府からは出てこない。解決策は主に個人、企業、NGOから出てくる。

●希望をもたらすのは個人であって組織や政府ではない。人々だ。そうした人々が力を合わせることを願っている。




・・・・・彼の予言の中には、フランス、ロシア、インド、東南アジア新興国の名前は出てきませんでした。そして隣国:韓国、北朝鮮の名前も。
中国のマスク外交は国連決議を有利に導くでしょう。

内憂外患の日本です。
救世主はいったい誰なのでしょうか?

nice!(2)  コメント(0)