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「札幌雪祭りとよさこい」と「鳥取砂丘ポケモン」と「GoToトラベル」 [新型コロナ]

キャンペーンというのはいろいろな狙いがあり、かつ利用したお客さんがリピートするかモ大きなテーマです。


1.札幌ススキノの有名キャバレーだった「エンペラー」(2008年倒産)の名物支配人の八柳鐵郎氏(2008年没)に聞いた「雪まつり」と「よさこいソーラン」の裏話を披露すると、

●「雪まつり」~雪の多い2月は観光客が少ない。そこで「雪」を観光資源にすることにしたもの。
台湾からの旅行客が泊まった旅館の主人が「吹雪で生憎ですね」と台湾の方に詫びのようにお話しされると、台湾の方は「何を言われますか、すごくラッキーな一日になりそうです。こんな吹雪は初めて体験します」と大喜びだったというエピソードもあったそうです。

※故八柳氏は、往時、ススキノを描いた著作も多数で、ラジオのパーソナリティやホステスさんたちの相談相手だった方のようです。出で立ちからも「夜の牧師様」とも呼ばれたお方です。

●「よさこいソーラン」~もともと「よさこい」は南国土佐(高知)が発祥です。
北海道から高知の大学に進学した方が「よさこい」に感銘し、北海道に持ち帰り商標登録までされてしまったといわくつきのものです。

ただ「よさこいソーラン」は6月がメインの開催です。
これも「農繁期」で札幌に客が少なくなる6月に時期設定をしたというのがポイントです。

つまり「雪まつり」も「よさこいソーラン」も札幌に観光客が減る時期の集客イベントとしての狙いがあったとか。


2.「鳥取砂丘でポケモンGO

マスコミ出たがり平井知事の発案です。(2017年11月24日(金)~26日(日)開催)
経済効果は3日間で13億円だったとか。
県民所得の少ない鳥取県ではまさしく「すごい」イベントだったはずです。

後日、鳥取砂丘周辺や鳥取市内でヒアリングをしてみました。

鳥取砂丘の土産物屋さん

●そもそもこの3連休は行楽シーズンなのでキャンペーンは不要。
・・やるなら観光客が来ないシーズンにやってほしかった。
●ポケモン客はお金を落とさないし、ホテルも満杯でお金を落とす一般客が来なかった。
※落とす人ではなく拾う人ばかりが来てしまったという皮肉です。
●こういうイベントは「お好み焼き」や「たこ焼き」や「焼きそば」などの屋台に客が流れる。

環境省の職員さん

●ここはジオパークなのでこういう呼び方で集客することがふさわしいかどうか疑問。
●ジオパーク認定の更新にもグレー。

鳥取市民の皆さん
●とにかく交通渋滞がひどかったし、路上駐車も。
●ポケモンを捜すため鉄道の線路内に入ったり迷惑が目立った。

地元の皆さんの評価はマスコミとは違い不満だけが残ったようです。

そこで皆さんに質問をしてみました。
仮に経済効果が12億円だったとしたら、
A.3日間で12億円の経済効果(=年12億円)

B.12か月で12億円の経済効果(1月づつコンスタントに1億円)
ではどちらがいいかと。

結果は、ほぼほぼBの「1月@1億円/月」のほうがいいと。

理由は簡単です。
宿泊施設なら、3日で12億円に合わせた設備投資をしなければいけませんし、従業員さんも12億円に見合う人を集めなければいけません。
これでは人集めもたいへんで、賃金単価も上がってしまいます。
また3日間だけの雇用だと非正規労働の温床になってしまいます。

毎月1億円に合わせた設備投資と従業員も常用雇用化が進みます。
要は「観光産業の売上の平準化」です。

そこでこんな提案もしておきました。
また知事がやろうと言ってきたら、倒産した「ゴルフ場」業況の悪い「スキー場」でやってくださいっ提案されたらいかがかと。

なお、その後、次の「ポケモンGO」が開催されたという話は聞きません。
机上の経済効果論と広告・企画費に税金がたくさん使われたという事実だけが残ったのかもしれません。


3.「GoToトラベル」のタイミングの悪さ

●この時期は夏の観光シーズンです。キャンペーンがなくても人はやってきます
●ただ、インバウンド依存度が高かった所には受け止め方が違うかもしれませんが、国内客回帰の絶好のチャンスだったのです。
●また、どんなにキャンペーンを打っても、旅行先は消費者が選びますから旅行先格差も起きてしまいます。
●お客の来ないところでは「コロナ対策」投資がかさみ、また人気のところは非正規労働の温床になってしまいます。
●キャンペーンをやるのなら「閑散期」「地域格差解消」を狙った格差解消もしなければいけません。
●経営が安定するためには「平準化」という発想が重要です。


キャンペーンを打つのなら、地域経済の持続可能性サスティナビリティ)」を意識した施策や工夫が必要です。
税金を使って終わりではないのです。



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