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銀行員の夏休み [銀行(員)と付き合う法]

意外と思われるかもしれませんが銀行員は「休暇取得」が増えました。

かつては、
12月31日の夜まで残業している
休日出勤(ただ働き)
サービス残業(ただ働き)
風呂敷残業(ただ働き)
早出(ただ働き)
等々が当たり前のような世界でしたが、今ではすっかり法令順守(コンプライアンス)の世界です。

1週間の連続休暇を必ず取る
四半期に一度以上週末とくっつけた連続休暇を取る
パソコンのONとOFFの時間で勤務時間が決まる
セキュリティのセット時刻と作業時間の照合が行われる
休暇・出張日の押印齟齬のチェック(休暇のはずなのに稟議を起案していたり、処理伝票がある等)

とても細かい勤怠管理になっています。
そのため事前に3か月先までの休暇予定を提出し、小刻みに修正していく仕組みです。
海外旅行などにも行きやすくなりました。


これというのも「働き方改革」の流れに沿ったというよりも、
●「金融庁の検査」では、長期休暇を取っていないもののリスト提出
●「労働基準監督署の調査」では、サービス残業のチェック
が行われてしまうことが発端でした。


そうこうしているうちに、
「個人情報の管理」の要請から、
・銀行内の書類の持ち出し禁止
・私物の構内持ち込み禁止

「AI化・IT化」の進展
・銀行内でしか仕事ができない
・そもそも仕事が減った

「健康管理」の要請から
・休暇の取得増
・残業の大幅削減
になった

という事情もあります。


かつては黒カバンの「とっちゃん坊や」のイメージが強かった銀行員もスマートなイケメンが増えて行ったのです。
また、残業が減ったことから「給料が減った」と部下からお叱りを受けることがありました。


ところで銀行員には面白い休暇取得の傾向があります。
たとえば「お盆だからと言って帰省する人は少なく、7~9月の間で1週間以上の休暇を取る」人が多いようです。

●地元採用の女子行員の場合は「お盆は暇なのでわざわざ休むこともない、あとでゆっくり旅行に行く」などと言う合理的な考えの方も多いようです。
●転勤の多い総合職の場合は「お子さんの都合に合わせてゆっくり休む」と言う人も多いようです。
●結果、暇なお盆の時期に休暇を取ることが増えました。

おそらく「働き方改革」の先を行っている業態かもしれません。


ただ、20年くらい前から「働き方」に別の大きな変化が起きてしまいました。

病人が増えた」「うつ症状が増えた」「中途退職が増えた

ということです。
原因はいろいろあるのでしょうが、私が見る限りでは、

●豊かな時代に育った若者はどうも「打たれ弱く」、昔と違い、何かあると「パワハラ」認定してしまうため上司もアドバイスがしづらくなった=たたきあげて育たない。

●「大学は出たけれど」が増え、どちらかと言うと幼稚化が進んでいる

●「銀行業務検定」「保険・損害保険」「証券業務」「運転免許」等の資格取得が義務化そして「通信教育」「e-ラーンイング」が推奨されており、手を抜くと「あの程度の問題でも不合格」とか「ついていけない」人も増えています

●学生時代スマホばかり使っていて、パソコンが使えないという人も多いようです。

企業の大人担当者や経営者と会話ができない(ビジネスの常識がない)人もありがちです。

法学部をでていても法律やルールに従った仕事ができない

こうなると、どんなに有名な大学を出ていても行き詰まってしまう人が増えてしまいことにもなってしまいます。
おそらく「就活戦線」では難関の方でしょうが、応用力がなく、努力を怠るタイプにはずたずたにプライドを傷つけられてしまうことになってしまいます。

結果、「うつ」が増え「転職」組も以前比べるとはるかに多くなっています。


銀行のような大きな組織では、機械化の進展もあり、店舗の統合や人員削減が頻繁に行われていきます。

困るのは、人員削減には「うつ」で療養中の人は対象になりませんので、人員削減人数以上に実働人員は大きく減ってしまうことになってしまいます。

そこに「優秀なやつ」が転職退職してしまうと代えが利かないという問題もあります。

霞が関の官僚とこういう話をすると霞が関の省庁でも「同じような悩み」があるようです。


銀行がそれでも何とか運営できているのは、
互換性の強化
多能化
応援体制づくり
組織で対応する
●向き合う姿勢は「ストイック
ということを日常的にやっているからではないでしょうか。


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