「産業構造の転換」を伴った地方の活性化を [みんなうすうす気づいている]
新型コロナは日本の弱い部分を露呈させました。
各所でいろいろなことに気づかされてしまいます。
1.政治
国難への即応力がない
首相の発信力もなく、担当大臣もいったい誰なのかよくわからない状況です。
国会議員に至っては、いったい何をなさっていらっしゃるのか?さっぱり伝わってきません。
2.地方政治
都道府県の知事の話を聞いてみても、パフォーマンスに走る人、日替わりのように話す内容の違う人、自慢ばかりの人があまりにも多いのにびっくりです。
気が付けば小池都知事のメッセージが一番わかりやすかったりします。
愚直なまでに同じことを繰り返す勇気も必要です。
そして、宮下宗一郎むつ市長の聡明さが光った感じがします。
コロナ病床数を睨んだ発言には安心感が伝わってきます。
3.経済政策
「アベノミクス」が積み上げて来たものがはげ落ちました。
・為替政策
・金融政策
・株価政策
をベースに「観光」「インバウンド」などのサービス産業シフトに過ぎなかったようです。
結果、東京を中心に飲食業、観光業の業績悪化が著しく、非正規雇用に支えられた働き方はコロナ解雇を生みました。
砂上の楼閣の経済だったのかもしれません。
東京のコロナ感染のニュースの中で、キャバクラ・ホストクラブという言葉が何度も出てきましたが、そもそも日陰の職業なのに「働いている人の生活」云々などとコメンテーターが擁護する姿は滑稽でもありました。
4、地方経済
東京ではサービス産業に非正規労働者が集まる状況が続き、地方の農業あるいは中小企業では「外国人研修生が来ないので人手不足」という凸凹が起きています。
職業選択の自由はあるものの、「お盆の帰省」話を見る限り、いかに地方の人が東京などの都会に出てきているか、そして地方から都会への流出が止まらないかの証左です。
「ワーケーション」などと突然言い出した政治家もいましたが、私には「地方で遊びながら仕事をする」という風にしか伝わってきません。
「地方での仕事をバカにしているのか?」とでも言いたくなってしまいます。
数字のやり取りで言えば、都会のサービス業などで解雇された非正規労働者の方の受け皿を地方に求めるほうが得策です。
「都会にあって地方にないもの」の典型が、
●AIを使ったビジネス
●得意分野を育む大学教育
です。
人手不足と言われる農業もAIや機械化の進展による新しい産業に生まれ変わることができるはずです。
地方の活性化に一番欠けているものは若い人たちの「ライフプランを見据える」という発想です。
「地方創生」という言葉の底には一人一人の人生が考慮されていないというのが特徴的です。
コロナ下の経済論議を聞いていて笑うのは、「新しい生活様式」「ウィズコロナ」などと言いながら、コロナ以前の経済に戻そうという発想から抜け出せないこと。
「後継者不足」の時代ならなおさら「新しい産業構造」「地域経済」「地方生活」を目指すことで経済を作って行こうというストーリーが見えてきません。
・製造拠点の国内回帰
・AIを使った第一次産業の高度化
・目的ある高等教育
等々、「頭を使った」産業構造の転換の場が地方にはあるはずです。
「少子高齢化」の勢いはとどまることはないでしょう。
「地方が、地方が」の「地方創生」ではなく、「地方の活性化による日本創生」が必要なのです。