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「経営トップ」のタイプからみた「吉村知事」 [裏づけのない経営学]

企業の経営者には出身の「畑」と言うものがあります。

たとえば、

研究・開発畑

財務畑

総務畑

営業畑

と言ったものです。


ものづくり企業」の創業者の多くは「研究・開発」畑の方がとても多いようです。
俗に「理科系」とも言います。
自ら開発した「製品」を世に出す(売る)ために企業化されたケースがとても多いようです。

こういった「ものづくり企業」でも組織が安定し部門が充実してくると「二代目」以降の経営トップは「文科系」(財務畑、総務畑、営業畑)の方が就くことがよくあります。
先代の父親はいわゆる「たたき上げ」の創業者であっても、法学部や経済学部出身のご子息が後継社長に就かれたり、研究畑あるいは営業畑の優秀な方をお嬢さんのお婿さん(含むマスオさん)にして後継なさる場合もあります。
お嬢さんが社長でお婿さんが副社長という企業も中小企業にはよくあります。


銀行では融資先の取引方針を毎年策定しある程度の融資枠を内々で設定しておきますが、その際には「」(経営者、従業員のレベル)「もの」(取扱い商品、生産設備、営業拠点)「かね」(資金余力、資産力)などを審査します。

その時に特に注目するのが「商品開発力・技術力」は維持できるか?ということです。
企業のトップともなれば、「財務面」あるいは「営業面」の数字や内容の把握は後天的に把握できるようになりますが、「技術力・商品開発」は一朝一夕ではできないものです。
ですから「ものづくり企業」では「技術部門・商品開発部門」に強力なスタッフがいないと企業競争力は一気に低下してしまいます。

美味しい飲食店」と言われても腕利きのシェフや板さんがいなくなればお客様の評判は落ちてしまいます。

「商品寿命」と言うものは短いものが多く、顧客は改善された商品を望む傾向があります。したがって「技術・商品開発」部門にはまさしくプロ(その道の専門家)が必要になって来るのです。

なお、「総務・労務管理部門」はいわゆる番頭さんのような人材に比較的任せやすいとも思われます。


さて、今回の大阪府吉村知事による「うがい薬」話の問題点の一つは、その効能を研究者ではなくおそらく「文化系」の知事が率先して説明された点にあります。
「技術」を説明するには借りて来た知識では無理があります。
大阪府では「ワクチン」の話もありました。これも「知事の口」から説明されたような気がします。

科学者は「ものづくり」には慎重です。
営業畑の人は「功を焦る」ことが時々あります。
ただ、「命」に係わる商品の場合、中途半端な完成品では危なすぎます。多くの経営者は失敗した時のことを考えます。

「うがい薬」の効能はよくわかりませんが、失敗した時の影響の大きさは計り知れません。

今回の「うがい薬」騒動をこういう視点でマスコミも受け止めてほしいものです。
選挙は「人気」で勝利することができても、「政治」や「行政」は人気だけでは評価できないものなのです。



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