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「銀行員の帰り支度」~かえるチェック [銀行(員)と付き合う法]

銀行員にとっていやなことの一つに「検査部が入る」ということがあります。
予告もなく、ある日突然、朝一で検査部はやってきます。

机を開けて見られたり、まぁいろいろとチェックされます。
「お金」が商品だけにあるとかないとかがトコトン調べられます。

そのため毎日の帰宅時のチェックが重要となってきます。

私が現役当時こんなことをやっていました。
帰る時は必ずチェックすること、すなわち「帰るチェック」です。


1.「ごみ」チェック

ゴミは毎日「一般ゴミ」と「業務ゴミ」に分けられます
そして、数日そのゴミを保管します

もし「一般ゴミ」の中から「業務上の書類」や「お客様の書類」でも出てこようものなら大変なことになります

2.「時間外」チェック

残業時間の確認です
パソコンのオンオフ時間やセキュリティセットの時間などとの整合性まで確認されてしまいます
休暇願が出ているにもかかわらず書類作成や時間外勤務が行われていないかまで調査されます

3.「片付け」チェック

「机の上には電話機だけ」というのが大原則です
パソコンのしまい忘れ
プリンターの中に印刷物が残っていないか
等々出しっぱなしは許されません

4.「言い忘れ」チェック

上司への報告、同僚への連絡等一日の仕事はすっからかんにしておくことが求められます

5.「かばん」チェック

銀行員のかばんは貸与物です
帰る時はかばんの中を空にすることが必要です
空にしたのがよくわかるようにファスナーを開けてひっくり返しておくことも求められます

6.「やり残し」チェック

そうは言っても「今日中にやっておかなければいけないこと」があったりします
「やり残した仕事はないのか?」がテーマです

7.「引き出し」チェック

検査部が一番最初に見るところが机やキャビネの引き出しです
そこに「金庫にしまう」べきものが入っていたり「私物が混入」していたりしていないかが最重要テーマの一つです

銀行には「現金」や「手形・小切手」などの現物があり、そのために金庫があります
「金庫」と言っても一般企業の金庫とは違い、鍵も複数人が分けて持っていて複数人で閉めることになります

8.「戸締り」チェック

基本は「セキュリティ」をONにする時にわかりますが、会議室、更衣室、トイレなどの窓が開いていたりすることがあります
施錠されていなかったりしたら大変なことになることもあります

9.「電気」チェック

「節電」はもちろん、「火災」の危険もあります
「消灯」「スイッチオフ」は徹底されています


10.「鍵」チェック

「机」「引き出し」「キャビネ」「金庫」すべてに施錠が必要です
明らかに施錠も必要ない引き出しなどは、ご丁寧に「施錠不要」の表示をしておきます
それ以外は毎日施錠して帰宅します


今はオフィスオートメーションやオフィス家具の進歩で変わっているかもしれませんが、銀行員の魂はこういうところにもありました。
この文化に馴染めない人、そそっかしい人は銀行員には向きません。

「検査部の検査」がなぜ怖いのかと言うと、
店舗の評価の対象」であり罰点をもらうと、
賞与が減る
人事考課の時の評点に影響する
特に管理職は人事異動・昇格に影響する
ということがあります。


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