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「照合」という仕組みを軽視するな [仕事についてのエトセトラ]


とあるワイドショー番組。
●山口県阿武町の4630万円の誤送金
●三重県南伊勢病院の1億5000万円の横領
事件を取り上げているがちっとも面白くありません。

番組の台本が「何に使ったのか?」「当事者の人となりはどうか?」に絞られている様子で話が核心をついていません。

コメンテーターとして出演している弁護士までもが「働いている人は性善説」などと言っています

「そこ違うだろう?」
ということです。


企業では、会社のお金が無くなった時に考えることは、
お金は返ってくるのか?
なぜなくなったのか?
「照合」管理はどうしていたのか?
再発防止策は?
という議論が必ずなされます。


司直の手を通さなくても犯人がわかった時には懲罰規程に則って処分されかつ「刑事告訴」するかどうかが決められます。
犯人がわからない場合やすでに退職している場合は「刑事告訴」するかどうかが決められます。


ですから、
何に使ったのか?
犯人の人となりは?
などは二の次です


二度目が起こらないようにするためには「再発防止策」が立てられ、
多くの場合は、
「照合」制度がより厳しくなる
当事者はその部門から外される
ということがまずもってなされます。


「照合」というのは簡単そうで意外と難しい仕事です。
「任せるから」というタイプの方は向きません
「たて」「よこ」「ななめ」の一致が確認できないとだめです
趨勢を判断あるいは「なぜ?」が気になることも重要です
「預金の動きに極端がある」という目利きが必要です
「いつも同じ人たち」でやるのも禁物です(休みや交代も必要です)

等々、「人様のお金」を管理する以上は厳格な運用がなされるものです。

件の弁護士曰く「職場は性善説に基づいて回っている」と。

とんでもない。
いわゆる「管理」という名前の職場は「性悪説」に基づいて回っています。
「起こるかもしれない」ことを想定して仕組みが作られているのです。
そこには「工夫」と「改善」を伴いながら。


プライベートは「性善説」でも、仕事は「性悪説」で回っているのです。
組織だった仕事への向き合い方の違和感が甚だしいワイドショーです。
ひょっとしたら世の中全体がそういう風潮になっているのでしょうか?


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